ワンマン社長の側で3年働いた俺が思うこと|その頭の中身と対策


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社長が好き勝手やっていてむかつく。あんな社長いなくなればいいのに・・

私は30代の男で、中小企業の総務の仕事をしていました。日々の経理業務の他にも、システムの運用管理、社内の備品管理に加え「社長の相手」という業務をしてきました。

1日ずっと社長の近くで働いてきましたが・・ハッキリ言って社長が大嫌いでした。

・社長のせいで、仕事がはかどらない。
・いちいち仕事に口を出す。
・言動が意味不明でイライラ。

結局耐え切れずに3年で辞めましたが・・ワンマン社長をずっとそばで見続けてきた経験は、それなりにあります。

私と同じように、日々社長のせいでストレスを受けている方のために、

「ワンマン社長という”生き物”は、何を考えているのか?」
「この”生き物”に、どうやって接していけばいいのか?」

について、お話したいと思います!

1.ワンマン社長とは?どういう会社のことを言う?

そもそもワンマン社長とは、どういう企業のことを言うのでしょうか?

・会社の細かい仕事に口を出す
・社長決裁がないと、何も決定できない
・社長がいるときは、社内の空気がピリピリしている

ハッキリと決まっているわけではないのですが、「社長の存在が従業員の仕事やモチベーションに、大きな影響を与えている」といったところでしょうか。

従業員と社員の距離が近い「中小企業」に起こりやすいですが、「大企業」だからワンマンでないとは言えません。

大企業でもワンマン社長はたくさんいます。ただ、組織が大きすぎて下の方まで目が行き届かず、従業員に及ぶ被害は「目立たない」だけなのです。

2.ワンマン社長の特徴(頭の中はこうなっている)

基本的に、ワンマン社長は人間と考えてはいけません。「我々とは違う”生き物”」と考えるようにしましょう。

そうでないとやってられませんって。

「どうして、この社長はこんなことするの(言うの)?」と理解に苦しむことが多いと思います。普段、ワンマン社長がどういう風に考えているのかをお話します。

自分が「神様」だと思っている

ワンマン社長は、例外なく「自分が”偉い”というよりも”神様”」だと思っています。

俺の言うことは絶対、意見する人間なんて許さないし認めない。基本的に社員のことを認めないですし、信用していません。

そうやって虚勢をはっているだけなら、まだ”かわいい”ですよ。

こういう人種は、無茶なルールを作ったり、途中まで決まっていた仕事をひっくり返したりを定期的にします。

その結果、従業員の仕事を止めたり、余計な手間を増やしたりして振り回すのです。

どこまで悪意があるかわかりませんが、「自分の権力を確かめたくなる」習性があるのです。

そしてもう一つ。

ワンマン社長の周りには「イエスマン」が多いのも、自分のことを崇拝してくれる人物を出世させているからなのです。

有能な人というよりも、処世術にたけた人が出世しやすいのがワンマン企業なのです。

能力は微妙、精神論にすぐ逃げる

少なくとも私が働いていた「ワンマン社長」は、経営者として正しい経営判断ができるかは微妙です。

今の事業がうまくいっている間はいいですが、時代が変わった時に変化に適応することは難しいと踏んでいます。

~わたしの会社は、こんな感じでした~

私の会社は経営者会議・営業会議を定期的に行っていましたが、「どうして数字が悪いのか」を追求するだけ。理由を説明しても「それをどうにかするのが仕事だ」という曖昧なことしか言いません。

営業部長が営業戦略の見直しを提言しても、「今のお客さんを大事にしないのか」との一点張り。変化を嫌がり、理論的にどうすべきかというのが全くありませんでした。

社内的にも「社長がいない方が仕事が回るし、新しいこともできる」というのはよく言われていました。

ワンマン社長は「精神論」だけは立派なので、事情を詳しく知らない外部の人からは「すごくしっかりした経営理念をもっている」と褒められるという始末。

わたしも、「あんな立派な社長の下で働きたいな」と思って入社しましたが、まんまと騙されていたわけです(笑)

世間体を気にする

人は多かれ少なかれ「人からどう見られているか、思われているか」が気になるものです。

ワンマン社長の場合は、「自分の会社が外からどう思われているのか」を異常に気にします。世間体というやつですね。

根底には「自分はすごい人」だと思われたいがために、社外からの評価にばかり目をむけます。

その一方で、「自分の会社の役員・従業員にはどう思われているか」については、驚くほど無頓着なのです。

よくドキュメンタリー番組などで、経営者が熱く理念を語っている人がいますが、私は冷ややかな目で見ています。従業員の皆さん大変だろうな~くらいに。

休みなく働いて「当たり前」だと思っている

年配の方ほど「仕事は休みの日も働いて当たり前だ、朝から晩まで働いて当然だ」という古い慣習がしみついています。

さすがに「休日出勤しろ!」と言うと問題になるので言いませんが、従業員が休日出勤しようが夜23時まで働こうが「見て見ぬふり」なのです。

「大変だな」なんて全く思ってないですよ。「俺も若い頃は一生懸命働いたんだ」と考えます。

「私の時代は毎日24時まで働いてのみに行って、土日も普通に出勤していたから、今は恵まれている」と武勇伝のように飲み会で話す社長が大嫌いでした。

会社は自分の家、所有物だと思っている

ワンマン社長は仕事とプライベートを明確に切り分けていません。

会社は自分の家と変わらないくらいに思っていますし、会社のお金も自分が使っていいと思っています。

・車にかかる経費は会社もち(社長に限りませんが)
・奥さんのタクシー代も経費にする
・友人のために買ったお土産の領収書を持ってきて、経費にしようとする

とにかく「隙があれば、会社のお金を使おうとします」。経理をしていたので、さすがに極端なものはやんわり断っていましたが、こうした会社は多いと思います。

会社の経営者は基本的に「ケチ」な人が多いです。自分の財布からお金を出したがらない。

経理以外の部署にいるとわかりにくいですが、こうした「公私混同」している面もあるのです。

「高い役員報酬もらってるんだから、それくらい払えよ!」と何度言いかけたことか・・

“自分のため以外”に、会社のお金を使うのを嫌がる

経営者は会社のお金を”自分のもののように”感じています。

どれだけ営業マンが汗水たらして受注してあげた売り上げも、自分のお金のような感覚なのです。

自分の役員報酬はたっぷりとる、個人的な出費も会社のお金を使う。でも、会社の必要経費を渋る、従業員の給料や賞与は極力上げたくないと考えます。

・お昼休みは、会社の蛍光灯を必ず消す
・従業員の出張手当は実費分のみ
・賞与を払う基準を、厳しくする

こんなことを平気でやるわりに、自分の役員報酬は毎年2万ずつ上げて行ったのです。ひどい話だと思いませんか?

従業員のモチベーションは、イベントで上がると思っている

私の場合は、こうした「強制」の行事が定期的に行われていました。

・休みの日をつぶして行う「社内レクリエーション」
・定期的に行われる「強制飲み会」
・数年に1度の「強制社員旅行」

さらに頭の痛いことに・・、

社長はこうしたイベントで「従業員の”やる気”が上がる」と思い込んでいるところです。

社員にすれば、休みの日にまで会社の人に会いたくないですし、それなら恋人や家族とゆっくり過ごしたい人の方が大半のはずです。

「給料は上げると毎月の固定費が増える、でも日ごろ頑張っている社員のために少しは報いたい・・だから飲み会や旅行だ!」

冗談でもなく、社長は本気でそれが喜ぶと思っているのです。

基本的に「自分が偉い」と思っているので、自分が思うことは絶対、人の意見など聞く耳を持つことはありません。だからどんどんゆがんでしまうのです・・。

3.ワンマン社長の対策、付き合い方

私が働いていた社長は、ワンマン社長の中でも結構強烈な分類かもしれませんが・・大体、社長さんの考えていることがイメージできたかな?と思います。

何度も言いますけど、「ワンマン社長は人間ではなく”生き物”」です。どうしてこうなんだろう?と考えるだけで疲れ切ってしまいますよ。

では、こうした”お馬鹿さんな生き物”とは、どういう風に付き合っていけばよいのでしょうか?

●距離を置いて、ダメージを軽くする
●媚びを売って、出世ロボットになる
の2つに1つです。

距離を置いて、ダメージを軽くする

もしあなたが、営業や技術職などで社長と日々直接接しないのであれば、距離を置くことをおすすめします。

まともに取り合っても、ストレスの元になるだけです。

●自分からはモンスターに近づかない
●仕事がひっくり返されたら、「そういうプレイなんだ」と割り切る
●社長に口出しされそうになったら、専門用語や難しい言葉を使って踏み込ませない
●話かけてきたら、「冷めた相づち」を打ち相手にしない

できるだけ考えない、存在を意識しない。「まともに相手にする方が負け」と思いましょう。

媚びを売って、出世ロボットになる

あなたが総務の部署だったり、少人数で嫌でも毎日接しなければならない環境であるなら。

あえて感情を殺して、「社長に徹底的に気に入られる」ようにするというのも一つです。

常に「イエスマン」になって、社長が喜ぶことを第一に考えてあげるのです。むしろ針を逆に振り切ってしまいましょう。

ワンマン会社の”唯一のメリット”は、「出世すればいい待遇が受けられる」という点です。

常務や専務などの”役員”にまであがれば、それなりの好待遇・高報酬が期待できます。

なぜなら、ワンマン社長は自分の役員報酬を上げたい、でも他の役員の報酬と開きがありすぎるのも、役員の総会で説明がつかなくなるからです。

ワンマン会社ほど、役員と従業員の給料の差は大きい傾向にあります。私が働いていた会社では、社長と若手社員の毎月のお金の差は「軽く6倍」はありました・・。

基本給はずっとあがらず、残業代もごくわずか、賞与は業績次第という平社員の切なさ。

4.この社長の下で働いても大丈夫?末路はどうなる?

「このまま、ワンマン社長の下で働き続けるべきなのか、我慢すべきか」というのは悩みどころだと思います。

世の中こんな社長ばかりではない

私は転職3回、4つの会社を経験してきましたが、中にはこんな社長もいました。

・「置き物」みたいに、いるのかいないのかわからない社長
・常に外に出てて、ほとんど会社にいないような社長

こうした会社は存在しますし、ワンマンでないので仕事も振り回されず、職場の雰囲気も穏やかなのはたしかです。

うまく転職がはまれば、がらっと職場環境は変わる可能性はあります。

ただ、転職と言っても簡単なことではないのはわかっています。ヘタなところに勤めて、今より悪い職場環境になるリスクもゼロではありません。

転職を決断すべきかは、会社の先行きを見ること

ワンマン社長から逃げ出したい気持ちになるのは、痛いほどわかります。

ただ、本当に会社をうつるべきかどうかは、「今働いている会社が、将来も安定しているのか」という点を重視してみることをおすすめします。

その会社が業界でも強く、安定した地位をキープできそうな会社であれば、我慢して残るというのも一つです。

ただ、業界の仕組みや競争相手が変わるなど、今のままでは3年後5年後変化しなければ生き残れないなら、迷わず転職です。

ワンマン社長の多くは変化にうとく、適切な経営判断をするだけの能力に乏しいことが多いのです。優秀なブレーンの意見を聞き入れる器がないのなら、いずれ会社はもたなくなります。

ワンマン会社で働くのは、普通に働くよりもストレスが大きくて大変だと思います。ですが「こういう生き物の相手をするのも給料に入っている」と割り切って頑張ってみるのも一つです。

まともに戦わず、「バカになりつつ」転職の可能性を探っていきましょ。

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2018.06.01