私は、特別な知識やスキルがないまま転職活動をし、内定をもらいました。
この会社から、なんとしても抜けだしたい。30代を迎えていたのですが、私は転職を決意しました。
やってきたのは営業だけ。しかも成績はパットしない。
正直、お客さんからも上司からも怒られっぱなしの毎日。
特別な技術や資格もない、営業以外の仕事は知らない。マーケティングに詳しいわけでもない。
こんな「ナイナイ」づくしの私でも、事務職への転身をすることができたのです。
転職について、調べれば調べるほど「スキルが必要」という情報におどらされます。
ですが。
理想論と現実は違う、ということを身をもって体験しました。
そりゃ、理想は「その企業で身につけた、汎用性のあるスキル」が身につけば最高ですが。
よほどの大企業、もしくは専門職を志望するのでない限り、そこまでスキルは求められません。
「特別な存在でないと、転職なんて無理。」という思い込みはリセットしましょう。
当時の私は無謀だったかもしれない。でも再就職が成功したのは、”思い込み”を外せたから。
「転職したいけど、能力もスキルもない。」そんな方の参考になればと思います。
スキルって何だ?
そもそも、スキルって何でしょう?
一般的には、その企業で身につけた技術や能力のことを指します。
「仕事を長時間している割には、コレというものが何も身についていない」。
私は営業の仕事を8年ほどしてきましたが、正直な所”何も得ていない”。恥ずかしながら・・
対人折衝力がバツグンに良くなったとか、提案力を磨いてきたとか。ないない、そんなもの。
日々の忙しさに追われてしまい、業務をこなすことで精一杯・・
同じような辛さを経験していませんか?
よほど意識が高い人でないと、明確なスキルを身につけられないのではないでしょうか。
技術職や専門職を除いては。
おそらく、社会人として身につけてきたものは誰しもあるはずなんですよね。
でも、それが明確な形で実感できていない。漠然とした自信のなさになって現れると思うんです。
で、自己分析を必死にやってみましたが、あまり意味がない。
ノートを買って、今まで自分がやってきたことや学んできたことを日記のように書き殴りました。
でも正直、「こんなの他の会社で評価されるか?」という自己満足になる。
スキルなんて、他者が評価するもの
「自分のスキルを決めるのは、自分ではなくて人事担当者」。
恥ずかしくて言えなさそうな経歴。本当だったら転職活動なんて、気が引けてしまうもの。
ですが私は、行動力だけは人一倍あるので、やってみないと気が済まない。
無謀にも、転職エージェントに相談に行ってきました。
~転職エージェントとは?~
「有料版のハローワーク」のようなもの。エージェントが求職者と企業の間に入り、仲介するサービス。
お金は企業からもらうので、利用する側は無料。
利用者は転職相談から、求人の紹介をしてもらえる。
「私は今まで、○○で営業の仕事をしてきました。事務職を希望してますが、可能ですか?」
履歴書と職務経歴書を書いて、転職エージェントの担当者に見てもらいました。
そもそも営業から事務職を目指すというところで、難色を示しましたが・・
事務職(中小企業の総務部長の後釜)を紹介してもらい、内定をいただきました。
事務経験はゼロ。だったのですが・・
転職エージェントの担当者が、「私の人柄と年代が、人事担当者に好まれそう」と判断し、企業にかけあってもらったんです。
エージェントの人と企業の人事担当者は、「こういう人材が欲しい」とあらかじめ打ち合わせをしています。
「仕事の経験や知識」以外の部分で、私がマッチしそうと判断されて紹介。
見事内定を勝ち取ったのです。
これが自分の頭だけの判断だったなら、営業経験でパットしないから無理だろうな・・で終わったはず。
正攻法でリクナビやマイナビなどの転職サイトで申し込んでも、書類選考で落ちたでしょう。
転職エージェントに相談した結果、私の「人柄という”スキル”」を評価してくれたということ。
スキルというと、「資格・実務経験」にばかり目がいくと思いますが、実際はもっと幅広いものなんですね。
・愛嬌がある
・折衝が得意
・聞き上手
・妙に説得力がある
・ライバル会社と同じ業種で働いていた
・年代(会社の年齢構成的に、中堅が欲しい など)
・コネ
これらのうちのどれかに「はまれば」、内定を出すことも不可能ではないということ。
転職サイトに登録して、直接企業に面接を申し込むのも一つ。
ですが、転職エージェントに登録した方がゼッタイ良いですよ。
なぜなら、直接企業の募集に応募すると「ふるいにかけられる」からです。
仕事の経験や知識以外に武器があっても、他の応募者との一次選考で不利になるからです。
その人の人柄やコミュニケーション能力などは、会ってみないとわからない。
でも、履歴書や職務経歴書では経歴しかアピールできない。
経歴でしか判断材料がないとなると、私たちのように経験や”これといったもの”が無い場合は不利。
転職エージェントですと、直接担当者とお会いすることができます。
形だけの職務経歴書ではない魅力を、見いだしてもらえば企業への面接が近づきます。
だから、転職エージェントを活用すべきなのです。
「たいしたことしかしてないから、転職してもムダ」と考える暇があるな。
まずは、エージェントの担当者に「自分」を見てもらうのです。
金銭面でのリスクもないですし(ずっと無料)、本気で転職を希望するのであればやってみる価値はあるはずです。
言葉は悪いですが、会社なんて「入ったもの勝ち」ですよ。
スキルゼロなのに管理職につけた人の話
最後に、私が見てきた中で「とりえがなくても、転職できる」話をしますね。
私はいくつかの会社を経験しています。2番目に入ったIT企業で、ある意味衝撃的なことがありました。
全く経験も知識もないのに、50代で管理職にとして採用された人がいます。(Nさん)
コネではないんです、求人誌に募集をかけて面接で突破。
WEB戦略室という、会社の花型部門のトップによそから抜擢。
「さぞかしスゴイ人なのかな」と思っていたら。
仕事は何もできない、知識もハッタリだけでなにもない。年齢も上なので、誰も文句を言えない。
本人はふんぞり返って一日ネットサーフィン。
こんな状態で、年収1000万近い給料をもらっている人がいたのです。
正直、こういう人がいるだけで腹立たしい反面、「どうやって入ったんだろう?」という好奇心もある。
飲み会の席で、人事部長がぽろっとこぼしたことなのですが。
「あの男を面接した時は、いかに自分が仕事ができるかを魅せる能力があった。けど・・」
どうやら、面接の時に「自分を大きく魅せるスキル」があったようです。
どこをどう話せば、素人に毛が生えたような知識のNさんがそう魅せられたのかは謎。
そこで見抜けなかった部長も部長なのですが。
悪い例ですが、こういう人も「自分を大きく魅せるスキル」があるということ。
会社が求めるスキルなんて、いい加減なものなんです。本当、会社は「入った者勝ち」。
だからとにかく、無謀でも内定をもらったら「勝ち」なんです。
転職エージェントの担当者に気に入られて、企業の人事担当者にプッシュしてもらうのが近道。
ただし、”入ってから一生懸命頑張る”という考えが大事なのではないでしょうか。
Nさんのように、ふんぞり返ってお給料だけもらうという”図太い人間”にはなりたくないです。