就職活動で面接がうまくいかない|社会人がコツを伝授します

就職活動をはじめたみなさん、面接はうまくいっていますか?最近では就職活動の解禁時期が大手が9月にずれこんだりと、いろいろと調整が大変ですね。

わたしは社会人歴13年のサラリーマンです。大手も中小も経験しました。その時の体験をもとに、みなさんにとって何かしらの役に立つ「面接対策」を紹介したいと思います。

受けた企業は50社以上、面接は30社を軽く超えました。実は序盤は全然面接に通らず、ぐでぐでな状態でした。これではいけないと思い、試行錯誤した結果、4社ほど内定をもらいました。

わたしも面接では相当苦労したものですから、みなさんがつまづきそうなポイントは大体把握しているつもりです。

数を打っても成長しない

いきなり大本命の企業に、ぶっつけ本番なんて無茶なことをする学生さんはさすがにいないと思いますが・・かといって、たくさん場数をこなせばよくなってくるという考えは危険です。

数もそれなりに大事ですが、それありきじゃないんです。あまり好きな言葉やないですが「成長」していかないと、数が目的では勝ち残れません。わたしが無事内定をもらえたのも、数で満足するのをやめたからです。

「何が求められて、何をしなければならないか?」
「実践を通じて反省点を見つけ、次に生かす」
この2つを紙に書いて自分の頭に叩き込むこと。これが大事です。

そもそも面接って何ですか?

採用者を決めるためのもの。たしかにそうなのですが、もう少し深いところを考えてみましょう。

テクニック的なことじゃなくて、精神論かよ!って思うかもしれません。違いますよ。本質を考えた上で行動しないと、「的外れ」にあってしまいます。応用が利きません。

「こう聞かれたら、こう答えるとウケがよい」という方法をわたしが教えたとして、それ以外のことが聞かれたらどうでしょう?そういうときに本質を自分の中に落とし込んでおけば応用が利くのです。

そもそも面接の短時間で、人間性なんてわかりません。能力なんて判断できるはずもありません。落ちるのは人間的魅力がないからだと考える人もいるかもしれません。もしくは大した経験をしていないからだと。でも違います。そんな簡単にわかるわけがないっつうの。

インターンシップでもしない限り、その人のことなんてわからない。でも企業も忙しいですから、短時間で働いてもらう人を決定しなければならない。

短時間で決定するためには、企業側にどんなインパクトを与えなければならないのでしょうか。能力も人間性もわからないのに。

「この人は組織の中で、しっかり働いてくれそうか」という1点です。

企業側の立場に立って、求めている質問に対する答えを、しっかりと用意すること。これが面接の本質です。

本質を知り、対策を考える

志望動機はどう答える?

面接の中で、必ずといっていいほど聞かれる定番ですよね。頭を悩ませている方も多いと思います。

志望動機を聞くのは、何のためですか?業界分析力とか、能力を見ているのですか?失礼ながら社会を経験したことのない人に、そこまでのレベルを求めるはずもなく。

「求めている質問に対する答えを、しっかりと用意できるか」を見ているんです。志望動機なんて答えはありません。どれだけこの会社のために、自分なりに調べて、自分なりの考えをもっているか。 そのプロセスを見ているんです。うまく話せないのであれば、話せるようになるまで考えて練習しましょう。

同業他社と比べて、何がどう違うのか。その中で自分はどういう点に魅力を感じたのか。脳みそを使って必死に自分なりの想いを持つのです。業界第一位だから誇りをもって仕事ができる?テンプレートみたいな回答しても、「あ、こいつは手抜きする人間だ」って思われて終わりですよ。

もちろん前提として、社会経験もないので的外れなことしか返ってこないのは企業側も知っています。

的外れでもいいんです。自分はこう考えたからこう思ったということをしっかり伝えるのです。「こいつ、なかなか考えているな。頑張って考えてきたな」という評価を勝ち取れば頭一つ抜けます。

志望動機ができる人は、組織の中で困難な課題にあっても、粘り強く取り組んでくれることを意味しています。

自己PR

自分が何を伝えられるのか、どういうことがやりたいのか。「自分視点」で物事を考えるのを改めましょう。

企業に選んでもらうんです。そのための面接なんです。企業が求めているのは、どういう人間で、自分のどういう面をアピールすればよいのか?と考えるのが基本ですよ。

あなたがやりたいことができるかどうかは、企業にとって重要ではありません。あなたの夢を叶えるために企業があるわけではありません。組織に認められて結果として、やりたいことができるようになった、というのが正しいです。

企業が求めているのはどういう人物か?「組織人」であることです。組織の中で円滑に仕事ができる人間なのか、組織の中で成長できそうなのか。その2つの意味を込めて「組織人」と名付けました。

ここは正直、絶対的な答えはありません。ご自身でも考えてみるとよいと思います。ただ社会人を経験したわたしの立場から言いますと、

・人間的に好感が持てる人
・コミュニケーション能力がある人
この2点が重要だと思います。

人間的に好感が持てる人。採用権を持っているのは人事部の部長さん、もしくは役員などのお偉いさんがほとんどです。そういう明らかに目上の人に好かれることが、面接では大事になります。

こびを売るというのではなく、謙虚で素直な人が好まれる傾向にあります。変にプライドが高く知ったかぶりをするような人間よりかは、多少抜けているところがあっても「かわいげのある人」が好印象なのです。

素を見せる(見せかける)
⇒リラックスしているように見せると、作ってガチガチになってないと判断されます。

笑顔を合間合間で見せること。
⇒これ大事です。さりげなく、でもしっかり笑顔を見せましょう。ちょっとした質問の合間とか、答え始めの時など。あくまで出す場面は慎重に見極めて。

コミュニケーション能力というと、トークが軽快とか機転が利くとかいうのを想像される方も多いです。でも実際は「聞く力」が求められています。

面接官の意図した質問に対して、忠実に答えているのか。これ、集団面接をした時に感じたことですが、聞かれている以外のことを流暢に話す学生がいるんですね。アピールしているつもりでしょうが、人の話を聞いていない、意図したことをやってくれないというマイナスの印象になります。

これは、最後の質問にもあてはまります。面接の最後に「何か質問ありますか?」とあったとします。集団面接ですと、積極性をアピールできるので真っ先にあげるべきですが、質問の内容が「面接官」が答えやすい範囲のものを聞けるかどうか。総務担当者なのか、現場の担当なのか、経営者なのか?その人のバックグラウンドを見て質問をする。これも聞く力だと思います。

自己PRで何を話すか?ここが最も頭を悩ませると思います。聞かれたことをしっかり答えること。これが自己PRになるのですが、1分間で話してください。という場面もあるかと思います。

エピソードを考えるのは最後。まずはこの組織だと、どういう人間が好まれるのかをじっくり考える。そこから逆算して、自分のPRになるフレーズを考える。それを客観的に証明するエピソードを考える。この順番です。

たいした経験をしたことがない、という人もいると思います。たいしたことない経験の中で、何を感じどう考えたのかを肉付けしてください。しょぼい経験だね、って誰も馬鹿にしませんから。しっかり考えているなということが伝わればOKですから。

性格が暗いとダメ?

・個性的な人間でなければならない
・無口、不愛想、性格が暗いからダメ。
という誤った考えが、いまだに根強いと思います。

実際組織の中で働いてきたわたしにとって、たしかに個性的な人も中にはいます。ですが大企業だろうが中小だろうが、個性的な人なんて圧倒的少数派ですから。みんなキャラが濃くて、性格が明るいなんていうのは幻想です。

営業職が強い会社でも、同じことです。暗い営業マンも普通にいます。暗いからって契約がとれないこともありますし、普通に優秀な人もいます。

何がいいたいのかといいますと、人間的に魅力がある人じゃないと勝ち残れないというのはウソだということ。

短時間で人間性なんてわからない、と冒頭で申し上げました。その通りです。勝ち残った人は多かれ少なかれ「演出」をしているんです。その辺の割り切りをせずに、ありのままの状態で行くから勝てないんです。

就職活動ってきれいごとじゃないんです。言葉は悪いですが入っちまえばこっちのもんです。そのくらいで行かないと結果が出てない人はキツイですよ。

だからといってバイトたくさんしてました、ボランティア活動しました、スポーツで実績を残しましたという「事実の脚色」はいけません。ばれます。
「キャラの脚色」をしましょう。

暗い人間でも「明るくふるまえる」ことはできます。「素を出しているように」見せられます。親しみやすそうに感じさせることもできます。要はどういうキャラで行けばいいのかを考えて、面接の数十分間だけ演じればいいのです。あなたは役者なんです。