はちみつが固まる時にすぐに溶かす方法と、正しい保管のコツ

せっかく使おうと思ったのに、ハチミツが固くてすぐ使えない・・どうすればいいの?

はちみつは栄養もあって美味しいけれど、頻繁に使うこともないから、つい余してしまう・・

たまに使おうと出してみると、結晶化して固まっている…なんて経験ありませんか?

パン(トースター)に塗ったりヨーグルトに入れるなど、食卓で活躍する場面が少ない物。

本当は栄養価が高いものなのに、応用しにくい・扱いにくさがネックかもしれません。

はちみつが固まる原因や、すぐに溶かす方法、対策をご紹介します!

1.はちみつが固まる原因は?

そもそも、どうしてハチミツはちょっとでも放置すると、固くなってしまうのでしょうか?

はちみつが固まる原因を作っているのは、「花粉とブドウ糖」です。

天然のはちみつには花粉が含まれているのをご存じでしょうか。その花粉を核にしてブドウ糖が結晶を作っていくのです。

はちみつの種類によって、含まれるブドウ糖の割合がちがうので「結晶化しやすいはちみつ」「結晶化しにくいはちみつ」があります。

ハチミツが結晶化する条件

『長期間使わないで固まる』というのも一つなのですが、

・外気温が15℃~ 16℃以下になった場合
・ブドウ糖の割合が多いハチミツを使っている
・直射日光があたる場所に保管している

なども、ハチミツが白く結晶化してしまう原因なのです。

■ 常温が基本、冷蔵庫より冷凍庫

15度より高い温度に保つことが基本ですので、できるだけ日光があたらず温かい場所で保管するようにしましょう。

冷蔵庫ですと一桁の気温になるので、最も保管には適さない場所になります。

また、はちみつは振動があると固まりやすくなる性質があるので、冷蔵庫やレンジなど家電の上に置くのも望ましくありません。

保管に適した場所は天井に近い吊り棚や食器棚の中が、「暖かく振動が少ない場所」といえそうです。

冬場の寒くなる時期には、下手に室温にさらすよりも「冷凍庫の中」で保管するというのも一つです。

冷凍庫で保管すると、蜂蜜が凍ることもなく、また結晶化する5度から14度よりも低い気温をキープできます。

ただし冷凍すると凍ることはなくても、いざ使おうとするときに固くなるのであらかじめ常温でおいておいてから使うようにしましょう。

■ 「固まりにくい」蜂蜜を選ぶのも一つ

蜂蜜は「ブドウ糖」と「果糖」の2つの糖からできています。ハチミツの種類によって、この割合は異なります。

ブドウ糖の割合が多いほど、ハチミツは固まりやすくなります。同じ蜂蜜でも、果糖の多いアカシアの蜂蜜などは結晶化しにくいので、今度買う時は銘柄をチェックしてみましょう。

結晶化を100%防ぐことはできませんが、製造年月日が新しく、ブドウ糖の少ない「アカシヤはちみつ」を選ぶようにしましょう。

また花粉を”ろ過”しているはちみつも、結晶化しにくい商品です。

固まると品質が悪くなる?

はちみつが結晶化して白く見えたり、中にはカビのように白いボツボツが見えることがあります。

結晶化しても品質が変わることはありませんし、食べてもなんの問題もありません。

ただし、蜂蜜と一緒に口をつけたスプーンを容器に入れておくなど、あまりにも保管状態が悪いと品質は落ちますので注意しましょう。

逆に結晶化するとパンにぬっても垂れないですし、あのザラザラした食感が好き!という人も少なくないようです。

ただ、物には限度がありますが・・

どんな容器で保管するのがいい?

もし、買ってきたはちみつがプラスチック容器の場合、湯銭やレンジによって変形する場合がありますので、ガラス瓶などの容器に移しかえて冷凍することをおすすめします。

はちみつの賞味期限ってどのくらい?

一般的に瓶詰めされてから2~4年の賞味期限が記載されています。

「はちみつは天然の防腐剤」といわれるほどの殺菌力があるだけでなく、水分がすくないために殺菌そのものが増えにくいという特徴があるからなのです。

開封しても賞味期限が短くならずに使える食品は、なかなか珍しいものです。

ですが実際は、期限が過ぎても十分に利用することができるものなんですよ。

食品には表示の関係上「賞味期限・消費期限」をつけることが義務づけられているため、設定している面もあるからです。

ただし使う時は自己責任でお願いします。

2.硬くなったはちみつを溶かす方法

固くてスプーンもまともに入らない蜂蜜を、柔らかく復活させるにはどうすれば良いのでしょう?いくつか見ていきましょう。

①湯銭にかける

「溶かす方法」としては、湯煎することが蜂蜜メーカーからも推奨されています。

・鍋に瓶全体を入れて、半分ほどお湯を浸します。

・鍋に火をかけて、弱火でやさしく加熱します。

・目安は40度前後くらいで、かき混ぜながら溶かしていきます。

・火を止めたり、再びつけたりかき混ぜたりと「適温」になるように調整します。

・結晶がなくなるまで、温度調整しながらかき混ぜます。

お湯で温めて結晶を溶かす場合、温度に気を付けてください。高温で温めると栄養素が壊れてしまいます。

元々の結晶化の進行具合によりますが、およそ30分から1時間くらいかかります。手間はかかってしまうのですが、完全に結晶化を取り除いておくと後がラクです。

時間に余裕があるときで、これから何度も溶かす手間をかけたくないのなら「湯煎」が一番です。

②レンジでチン

「時間がないから短時間で溶かしたい!」場合は電子レンジがお手軽です。

使いたい分だけお皿に移してチンするだけ。お手軽ですがデメリットもあります。

はちみつは高温になると風味や栄養が低下してしまうので、レンジの熱でおいしさが逃げてしまうことも。

時々かき混ぜながら様子を見て温めていきましょう。加減が難しいのが難点ですが、小分けで必要な分だけ溶かせるので時間短縮になります。

③はちみつホッカイロ

養蜂場のホームページで紹介している方法です。

1.はちみつボトルにタオルを巻きます。

2.糊面を外側にしてホッカイロを2つ貼り付けます。

3.さらにタオルでくるみ、途中天地を返しながら半日ほど待ちます。

はちみつが入っている瓶がカチカチになってどうしようもない時に、時間をかけて自然に戻せるやり方です。

湯煎や電子レンジよりも時間がかかりますが、「高温にならずに溶かせる」メリットもあります。

④お風呂の湯船に浮かべておく

ホッカイロがない場合は、「お風呂の残り湯」を使うというのも一つです。

お風呂の温度は40度前後ですので、蜂蜜を溶かすのに最適な温度なのです。

時間に余裕があれば、瓶ごと湯船に浮かべておきましょう。ただし中のお湯が容器の中に入らないように、しっかりと封をしましょう。