人の気持ちがわからない人へ|なぜかイラつかせる原因と対処法

自分では気を遣っているつもりなのに、なぜか嫌われたりイラッとさせてしまう・・

私はアラフォーの会社員なのですが、昔から人間関係には人一倍悩まされてきました。

もともと気が小さく、人に対して謙虚にしているつもりなのですが、なぜか相手の反応が悪いときがあります。

人の繊細な感情ですとか、人の本心が全然わからずに「どうして?」と思い続ける日々。

発達障害も疑ったのですが、症状的にはあてはまらなかったのです。

いろいろ悩んできましたが「自分の性質を知って、できる範囲でがんばれること」を実践した結果、苦しい思いから救われました。

そんな私の経験を踏まえ、同じく「人の気持ちが全然わからず、対人関係がうまくいかない」人の参考になれば幸いです。

1.人の気持ちがわからない原因

人に嫌われないようにしたい、もっとみんなと仲良くしたい。

社会人になってからも、新規の得意先の人だったり、友達の飲み会などで知り合う機会があっても「はじめは良かったが、急に素っ気なくなる」ことがたびたびありました。

あとは仕事をしていても、急に上司から怒られたりイラついた態度をとられることも。

同僚はそんなことないのに、「自分だけ嫌われる理由」がわからず悶々としていました。

もしかして、発達障害?

大人になっても発達障害はあるということで、調べて見ました。

可能性のあるのは「高機能自閉症」や「アスペルガー症候群」といったものでした。

-高機能自閉症は対人コミュニケーション能力や社会性、想像力に障害があるため対人関係がうまくいかなかったり、限定された物事へのこだわりなどが強く表出されたりする特徴があります。言語の発達に遅れがありますが、知能の発達に遅れはありません。

-相手の気持ちを理解することが難しい

想像することが苦手なため、相手が何をどう考えているのかを想像して行動を調整することに困難さがあります。一方的に自分の興味分野の話をし続けてしまったり、関心ない話には一切興味を示さないことがあります。

りたりこ発達ナビより引用

相手の気持ちを理解できないというところまでは一致していますが、「一方的に自分が興味のある話」をすることはないですし、人の話に興味をしないということもありませんでした。

ちなみに「アスペルガー症候群」がありますが、症状や特徴は同じですので、「高機能自閉症」とイコールで使われるケースがほとんどです。

「集団で空気が読めない」「自分のことを一方的に話す」という症状がなく、人からそのような指摘を受けたこともないので発達障害ではないと思いました。

発達障害以外の可能性は?

あまり受け入れたくないかもしれませんが、まずはご自身が「大人の発達障害」でないかどうかをチェックしてみましょう。

発達障害でなければ、以下の3つの原因が考えられます。

●無意識に自分本位になっている

●人の状況や気持ちを、想像する力が弱い

●相手を観察する余裕がない

無意識に自分本位になっている

人に気を遣っているつもりも、「全然気を遣っていない」ように思われることはありませんか?

わたしたちのような人間は、意識していなくても「自分のことで頭がいっぱい」になる傾向があるのです。

「自分が傷つきたくない」思いが強く、結果として『自己中心』的な考えになっている可能性があるということ。

相手の気持ちを置き去りにして自分を守る行動、言動を優先している

その結果、人の意見や行動とのズレが怒って、人を不愉快な思いにさせているのです。

人の状況や気持ちを、想像する力が弱い

あなたの周りでも、「よく気がつく」「どうして自分の気持ちをわかってくれるの」という気配り上手な人がいるかもしれません。

相手がどう思うのか、何に困っているのかを機敏に察知して行動に移せる人間のことです。

反対にわたしたちは、そうした「他人センサー」が弱いので、人の気持ちを考えようと思っても「わかりやすいもの」しか反応できないのです。

持って生まれたものであり、「人の気持ちを理解しましょう」と言われて簡単にできるものではありません。

相手を観察する余裕がない

基本的に「自分自身に余裕がない・自信がない」ので、人と接するときも余裕がないのです。

「何を話そう」「質問にどうやって答えよう」というところに気が行ってしまい、「上の空」になってしまいがち。

相手からすると、あなたが『心ここにあらず』のように見え、「この人はコミュニケーションをとるのを嫌がっている」と思われる可能性があるのです。

嫌われたくないのに、いつの間にか嫌われる・人が遠ざかっていくということに繋がります。

2.人の気持ちを知るには?

では、どうやったら人の気持ちを知ることができるのでしょうか?

私もいろいろな対人関係の本を読んだり、実践してきましたが、最終的にわかったことがあります。

努力して改善できることはあるけれど、持って生まれた性質・能力で変えられないものもあるということ。

がんばれることと、どうしようもないことの「見極め」をして、無意味にふさぎこんだり、自暴自棄にならないで欲しいのです。

あなたは決して無神経な人ではないと思うんです。むしろ繊細で、誰よりも人に対しやさしい気持ちを持っているはずなのです。

自分の思いとは裏腹に、人が遠ざかったり、誤解されて嫌われたり。相手を怒らせたり、イライラさせてしまうのです。

まずは、努力で変えられるもの・変えられないものをしっかりおさえましょう。

「気の利く人」にはなれないと割り切る

人のちょっとした変化も見逃さずに、すぐフォローできるような人には、残念ながらなれません。

そういうことは「天性のもの」ですので、意識してなくても見える物があって振る舞えるのです。異性からもモテる人が多いでしょう。

わたしたちの場合、努力でその境地に達するのは難しいのです。たしかなマニュアルや理屈がある世界ではないので。

そうした「すごい人」を見て落ち込むよりも、「自分なりにできることをする」という割り切りをすれば心が楽になります。

人の気持ちを考えようとしない

「人の気持ちをよく考えましょう」「自分が相手の立場に立ったらどうなのか、理解して行動を」

なかにはこんなアドバイスをする人が、いるかもしれません。

ですが。それができるなら、苦労しないのがホンネではないでしょうか。

人の気持ちなんてわからないですよ。自分のことだってよくわからないのに、ちょっと考えるだけで人の気持ちがわかったら誰も苦労しません。

下手に考えすぎると、結局何が正しいのかわからずに混乱してしまうだけです。

「相手の気持ちなんてわからない」ことが前提だと、相手から理不尽なことをされても、「よくわからない、放っておこう」と冷静な対処ができるようになるのです。

いい意味で「人なんてどうでもいい」。と思えたら、余計なストレスや悩みから解放されます。

自分の気持ちなんて、どうでもいい

仕事にも対人関係にも言えますが、無意識に『自分を守ること』を考えてしまいがち。

・嫌な思いをしたくない
・余計な仕事は受けたくない

「自分をいたわり、損したくない」という気持ちを普段からもっていると、それが無意識に言動になって表れてしまいます。

自分のことはどうでもいい。相手は何をしたがっているの?

相手の気持ちはわかりませんが、自分優先で考えることをリセットするだけで、自然と相手本位になってきますし「不快な態度」で相手をイラつかせることがなくなります。

相手の話を聞くことに集中する

たとえば飲み会などで、新しい人と挨拶をして会話をしたとします。

相手とのコミュニケーションを円滑にするには、相手にたくさん話してこちらは「聞き役」に徹することです。

質問をして、相手がいろいろと話してもらえるようにしましょう。

ただ、この時に注意したいのは「相手の話を聞くときに、別のことを考えない」ことです。

・次に何を質問しようかな
・自分のことは何を話そうかな

と「次のこと」に意識がいっていませんか?それは表情や視線にも出ますので、相手は「こいつ上の空だな」と感じる恐れがあるのです。

初対面で緊張すると、自分に余裕がなくなるかもしれませんが、相手が話し始めたら、余計なことは考えず一つ一つの話を全身全霊をかたむけて聞くようにしましょう。

話が終わってから、次のことを考えるくらいの余裕で大丈夫なのです。多少の沈黙は恐れてはいけません。

難しい人には、近づかない

「どうしてこの人は、いつも怒るの?わけわからない行動をする?」

どこの世界でも、クセのある人や嫌な人はいます。そういう人に対して、「自分のどこが悪かったのか?」などと自分を振り返る必要はありません。

変な人なんだと思って、割り切るのです。できるだけ近寄らない、その人のことを考えず相手にしない。

自分が難しいと思った人は、無理に仲良くならなくていいのです。

『タイミング』も大事

たとえば上司に、何かの報告をするとき。

仮に上司が顔を真っ赤にして鬼の形相で席に座っていれば、「今は話しかけたらダメだな」と誰でもわかります。

ところが現実には、そんなわかりやすい人はいません。

相手の表情を細かく観察できる人は、ちょっとした変化でも気づくことができますが、わたしたちの場合そこまで細かく相手を観察できないのではないでしょうか。

いろいろ忙しくてイライラしているかもしれないですし、家庭のことでトラブルがあって引きずっているかもしれません。

こういう場合は、相手の気持ちを察してもわからないのですので、よいタイミングを狙いましょう。

・上司がトイレから帰ってきたとき
・お茶に口をつけたとき

など、少し冷静になっているタイミングで相談をすれば、必要以上に怒られずに済むと言うことがあるのです。

人間関係は大変ですが、「できること」と「できないこと」を見極めて乗り切りたいものです。