ストレスで毛を抜くのがやめられない|抜毛症ってどう治す?

イライラしたり不安になると、髪の毛をむしって抜いてしまうのが「癖」になる。

よく小さい子供が、爪をガリガリに噛むことってよく聞きますし、実際見たことがあります。

でも髪の毛を抜くのが癖になっている人がいることをニュースで知り、驚きました。

抜毛症(ばつもうしょう)と言うもので、女性に多く見られます。

これって一体どういうもので、どうしたら治るのか調べてみることにしました。

1.なぜ髪の毛を、抜いてしまう?

抜毛症は別名、トリコチロマニアといいます。

強迫観念(不安あるいは不快な考えが浮かんできて、抑えられない)があって、それを自分の中で消化できない人が「発散場所」として”髪の毛を抜くこと”に矛先を向けます。

およそ100人に1、2人くらいの人がかかると言われています。

①脳の一時的な機能障害
②ストレスや不安、コンプレックスを感じている
③認知のゆがみ(物事のとらえ方や考え方の癖が、かたよっている)
ことがあげられます。

はたから見ると「こんなことして痛くないの?」と心配になってしまいます。ですが抜くと一時的にスッキリする「ゆがんだ快感」になってしまうのです。

リストカットのように、ある種の「自傷行為」ともいえるわけで。エスカレートすると危険なのです。

2.どういう癖がある?

・眉毛を抜いて、ほとんど自眉がなくなる。
・髪以外にも、脇・まつげなど全身の体毛を抜く。
・髪を抜く。

この3パターンのいずれかが起こります。

怖いのは、イライラしたら抜くという「自覚症状」がある人と、無意識のうちに抜いていて、指に毛がからまっていてビックリする人もいます・・

自分の行動を把握できてないので、怖いわけです。

抜く場所がかたよると、円形脱毛のようにぽっかり頭皮がなくなってしまう恐れがあります。

脱毛班がくっきり目立ちやすいので、周りからも「円形かな?」と勘違いされてしまいます。

毛抜きで抜いてしまうと、毛根が死んでしまうことがあります。抜いた毛が生えてこないので、皮膚科でレーザー治療を受けるなど、処置が必要なケースもあります。

~食毛症はご存知ですか?~

髪の毛を抜く行為におさまらず、一本の髪の毛を細かく歯で噛み切って飲み込んでしまうケースも。胃の中で消化されずに残る可能性があるので、危険です。

3.抜毛症は、どう対処する?

抜毛症は思春期の女性がかかるケースが多く、時期がくれば治るのが一般的と言われています。

ですが、大人になってもその癖が治らないという人も少なくありません。

精神的ストレスをなくす

根本的には、これが最も良い方法です。それができれば苦労しないと言われるかもしれませんが。

自分の中でうまく発散させるものを見つける、環境を変えるという基本的な取り組みも必要です。

ほかにも心を穏やかにするために「お寺で座禅をする」という方法も心があらわれますのでお勧めです。

座禅体験をしてくれるところもありますので、知識がなくても老若男女誰でも参加できます。

「認知行動療法」をご存知でしょうか。

自分の思考の偏り、ゆがみを直すためのセルフコントロール方法です。本来は医療機関で、専門医の指導をうけて行うのが望ましいのですが、受け入れてくれる病院はごくわずかです。

市販の書籍でも、認知行動療法のテキストがあります。

自分でチェックしながらすすめられる入門書もありますので、ストレスや不安を感じにくいもののとらえ方をする訓練をしてみるのも一つの方法かもしれません。

病院に行く

症状を改善するには、一般的な方法ともいえます。専門の先生にケアしてもらうという方法です。

心療内科と精神科、どちらに通うべきかという問題があります。

形としては、精神疾患の軽度のものであれば心療内科、症状が強く出る場合は精神科という位置づけです。

ただ最近では、精神科といっても心療内科のような処置をしてくれるところもあり、境界線はあいまいです。

心療内科だと、カウンセリング的なものを期待する方もいるかもしれません。

ですが基本は精神科も心療内科も、薬物療法で症状の緩和をはかることを治療ベースにしています。

評判のよい、親身になってくれる先生のいる場所、という点を優先させて選ぶことをおすすめします。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や、症状を一時的に抑える頓服のような安定剤を処方するのが一般的です。

病院にかようと、長期戦になってしまうというところと、薬の服用を長期間するというリスクもあります。

なので、ご自身の症状の度合いにって変わってきますので、慎重な判断が求められていると言えるでしょう。

ウイッグで隠すという手も

完治するまでの間は、隠すというのも必要になってくるかと思います。

鏡越しに見る自分の脱毛自体が心を乱す原因にもなりますし、他人から余計な心配をかけさせないためにも必要かと思います。

ウイッグというと「全かつら」をイメージするかもしれませんが違います。「ピンポイント」で気になる部分を隠す部分カツラがあります。

プロピアというメーカーから発売されている、円形脱毛用のウイッグがかなり良いです。

数千円でケアできて、自分で気になる場所にペタペタ貼ることができますので。

数万、数十万もするかつらの時代は終わっているのですね。これなら我慢しなくても、生えてくるまでの一時的なケアができますので、よいと思います。

自分と向き合うことも必要

根本にあるのは、自分が感じる”不安”です。漠然としている方も多いと思います。

ですが自分の根っこにある感情に気づくこと。日々の思考を振り返ったり、何が自分の心のブレーキになっているのだとか。

手書きのメモを常に持ち歩いて、気になることをかきとめたり、思考を深めるためのツールとしても使うのが良いかもしれませんね。

頭で考えていることって、すぐに忘れてしまうのと、紙に書くことで整理することができます。