仕事をしていて通勤しなければいけない。でも人混みにいることで心臓の鼓動が早くなったり、イライラが収まらなくなる経験をお持ちではありませんか。
わたしは30代のサラリーマンなのですが、過去にパニック障害をわずらった経験があり、仕事を続けてきました。
ほかの人から見たら、なぜ?と理解されないことの方が多いのもこの病気の特徴ですよね。今現在、自分がかかっているかもしれない。これから仕事を続けていくうえで不安があると思います。どうすればよいのだろうと、未来が見えないといいますか。
わたしの実際の体験をもとに、何かしら参考になる部分があれば幸いです。
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かかったきっかけ
わたしが発症したのは、出張が多い仕事で常に大阪や東京に行くことが多かったのがきっかけでした。地方の主要都市に住んでいて、それなりに通勤電車でラッシュは経験しているのですが、それとは比較にならない人、人がいつのまにか苦痛になっていました。
ほぼ毎週のように出張してましたので、移動による疲れ、数字に追われるプレッシャーなんかもあったのかもしれません。
出張して、休みなく回り続けて人が少ない場所で休憩もままならず。だんだんと人混みの中にいることがうんざりしてきて。イライラが募って人とぶつかってトラブルになったこともたびたびありました。
わたしのような症状だと、パニック障害の中でも「広場恐怖」と呼ぶそうです。さらに悪化すると、エレベーターにも乗れないこともあるみたいですね。
飛行機とか、ほかの人との距離が近い乗り物もダメになって。心臓がドキドキしぱなしで、ほかの人が動いて服の裾が自分にあたるだけで、イライラするような状況。どんどんひどくなりました。でも仕事は辞めるわけにもいかず、代わりの人間もいない。
パニック障害になる原因
一般的に、パニック障害になる原因は「精神的な不安が蓄積することでおこる精神的な疾患」のようです。病気まではいかないけれど、その一歩手前という状態。
もともと遺伝的になりやすい人もいれば、心理的要因たとえば過労や心労などが引き金になって起こることがあるようです。あとは、乳酸やカフェインなど特定物質が脳機能に恐怖を感じさせるという説もあるそうなんです。
一時的に交感神経が過剰に働いて、リラックスするときに働く副交感神経が働かなくなる。こうしたことが脳で起こっているようです。不安や恐怖のもととなるノルアドレナリンが活発になり、それを抑えるセロトニンが不足しやすくなります。
~参考:人間の脳機能は?~
大脳辺縁系(扁桃体)が喜怒哀楽をコントロールして、前頭葉の部分で思考や意思・感情をつかさどっています。
呼吸困難・激しい動悸・発汗・めまいや死の恐怖などが一般的な症状(パニック発作)のようです。乗り物の中など、逃げられない場所で起こりやすいみたいですね。
わたしの場合も、動悸と「このまま死んでしまうのでは」という感情がひどかったです。もう落ち着かなくて仕方がなく、乗り物に乗っているときはできるだけ目をつぶっていました。
いかがでしょうか?こうした症状で思い当たることはありましたでしょうか。
どう対処したか
症状は悪化していく一方。ただ外出できないというほどのレベルにもならず、ぎりぎりのラインでした。このままだと危険だなと思い、心療内科を受診することになりました。
症状を先生に話して、「パニック障害」という言葉をその時にはじめて知りました。心療内科ではもっとカウンセリング的なことをするのか期待したのですが、基本は「薬物療法」です。
脳機能の伝達を改善することで、心理的な不安や恐怖を感じさせないようにする。そして症状がでないように落ち着かせる。そのための薬を徐々に増やしていきます。症状が治まってきたポイントで、薬を抑えて改善させるという方法が主流のようです。
パキシル・ナウゼリンという薬を処方してもらいそれを服用する毎日でした。実際服用すると軽くふわっとした感じになるのですが、劇的に気分がよくなることもなく。
ただ症状がこれ以上悪化するということもありませんでした。
本来は半年や1年ほどかけて治療するのですが、わたしは途中でやめました。なぜなら、服用最中に「発作」のようなものが出たからです。
夜中に頭がミシミシ音がして救急病院に行いました。MRIをして異常はなかったのですが、薬を使うことが怖くなりました。
先生に言っても、薬をやめることはしないという話でしたので、通うのをやめました。離脱症状が怖かったのですが、思ったような体の影響はなかったです。
薬をやめてどうしたか
週末はお寺にいって座禅をしたり、気持ちがやすらぐヒーリングCDを聞くなど、良いと思われることは積極的にしていました。小池龍之介さんの「考えない訓練」という書籍も参考になりました。
あとは休みの日はとにかく無理に外出しない。ネット宅配で食料品を頼んだり、服もネットで注文しました。
一番効果的だったと思ったのが、「自分の考え方を変えること」。今まで自分を負いつめていて、余裕がない思考や行動だったんですね。
このままではつぶれると思って、いい加減な人間になってやろうと切り替えました。考えても数字があがるわけではない。やるべきことだけ最低限やって、あとは知りませんという考えで臨もうと。
当時は営業でしたので、一軒でも多く回るということを考えていましたが、自分のペースでいいやと。適度に自分を落ち着かせながら、歩くペースを今までの半分にして、行動を「スロウ」にするように心がけました。
上司から文句を言われることにビクビクせずに、とにかく余計なことは考えずに気楽に仕事しようと。怒られたら変えればいいんだし。という開き直りの考えができてからは、徐々によくなってきました。
そのうちに会社を取り巻く環境も変わり、出張する回数も減りました。今は別の会社にいますが、パニック症状は治まりました。ただ、100%ではありません。明らかな人混みに行くのは避けるようになりましたが、それも許容範囲かなと。
同じように悩んでいる方へ
仕事を休職したいけどできない、簡単に転職もできない。パニック障害は基本的に自分の生活習慣を変えることがのぞましいのですが、そうも言ってられない人も多いかと思います。
安易に続けて大丈夫とも言えませんが、自分の思考が少なからず影響しているのかなと思います。今一度、自分自身を「追いつめない」ように振りかえってみることも必要かもしれません。
できるだけ症状が出る場所に行かない、無理に頑張ろうとしない。適当に考えることも大事です。どうしても症状がでる場所にいなければならないとき、開き直ってどうでもいいや、と考えることも大事です。
あまり外出したらどうしよう・・という不安(予期不安)にとらわれると、外出できなくなります。なので、外出することは当たり前で、先のことを考えないという心がけも大事なのかなと思います。
体に現れる症状が気になるのであれば心療内科か精神科で薬を処方してもらうこともひとつです。ただ薬に頼るというのは、もう少し慎重になった方がよいのかな、と個人的には思います。
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