視線を感じて自意識過剰になる|どんな改善策があるか調べた

どうしてこいつ、自分のことジロジロ見ているんだろう・・と日常生活で感じる事がちょこちょこあります。

わたしは30代のリーマンなのですが、昔から自意識過剰だな-って思います。頭ではわかっているんです。人はそんなに自分のことを気にしてないし、見ていない。自分が過剰に意識するから、それが伝染して相手もこっちに注意を向けてくるということを。

頭ではわかっていても、それをうまく自分の中で落とし込めないといいますか。わたしみたいに「視線」に過剰に意識してしまう人って、口には出せないけどたくさんいるはずです。無理矢理仲間を作ろうとしているわけではないですがw

このままでも、ま-日常生活に支障がでるわけではないのですが。ただ、潜在的にいつか人とトラブルになるのでは?という怖さがあるのも事実なんです・・

この状態って、一生付き合わなければならないものか。どういう改善方法があるものなのか。一度しっかりと調べてみようと思いました。

自意識過剰になるメカニズム

まずは自意識過剰にどうしてなってしまうのか?を知る所から。

思い返せば、日常生活のいろんなシーンで、人の視線が気になっています。
・電車に乗っていたら、向かいに座る人がジロジロ見る。
・町を歩いていて、人とすれ違う時に、睨んできたりバカにするような顔をしてきたり。
・人と話をしていても、目をじっくり合わせることができない。無理に視線を合わせようとして、相手の話が頭に入ってこない。真正面に座るのが苦手。
・緊張する人と話をするとき、顔がひきつる。
・自分の視線が気になってしまう(←経験者じゃないとわからないと思います)
・たまに仕事中に遠くに座っている人の視線が気になる。

いやいや出てくること出てくること。こんなんでよく生きていけるなって、自分でも驚きます。どうです、この中の項目にいくつ、当てはまりましたか?

わたしのような症状ですと「視線恐怖」と呼ばれる「対人恐怖症」の一つのようです。

・自己視線恐怖症⇒自分が視線を送ることで、他人はいやな思いをしないか?
・他者視線恐怖症⇒人から見られていることに、過剰に気にする。
・正視恐怖症⇒人と目を合わせるのが怖い。
・脇見恐怖症⇒周りにいる人がこちらを意識しているのではないかと感じる。

視線恐怖と言っても、4つもタイプがあるようですね。うーん、どれにも当てはまることがある気がします。

わたしのように、いくつかのものが組み合わさって起こる人のほうが多いようです。

恐怖症は不安恐怖症と心身症をまとめて「神経症」とも呼ばれます。言葉で定義をすると少し複雑になるので、あまり深入りはしないようにしたいと思います。目的は原因を知り、対策を知ることですから。

具体的には?

もともとの性格的な側面が強いようです。神経質な性格で、根本にあるのが「他者に対する劣等感や自身のなさ」「人に良く見られたいというとらわれ、自意識過剰」なのです。

そうした性格が不安や葛藤を引き起こし、他人に対して過敏になってしまう。イライラしたり、人をにらみつけたり必要以上に拒絶したり。顔がひきつったりする症状に悩むこともあるようです。

この手のものって、意識すればするほど悪循環にはまりやすい特徴を持っているようです。意識するから余計行動がおかしくなる。それが自分の中に経験としてインプットされてしまうので、繰り返しやすいと。

人によってはうつやパニック障害になったり、不安を解消するために暴飲暴食などの行動にでることもあるのだとか。病気ではないですが、こうした副次的なものもあるので、気を付けたいですよね。

どういった解消法があるのか

前置きが長くなりましたが、本題に入りたいと思います。「視線恐怖症」に対しては、どうすればよいのでしょうか。いkつかの方法を調べてみました。

心療内科や精神科に行く

他人の視線が気になって、外出する機会もぐんと減ったり、やっとの思いで仕事に行く・・という方は、この選択肢が現実的だと思います。

精神科となると、うつ病や統合失調症など疾患症状が比較的重い人が行くところ。心療内科ですと軽度の精神疾患を抱えている人が行くところですので、心理的負担も減るかと思います。実際患者さんも深刻な人は少ないですし。

心療内科でも、入院設備をもたないクリニック(=診療所)で診察を受けるのが、症状が浅い人にはお勧めできます。

治療方法としては、カウンセリングを期待する方も多いのですが、メインは「薬物治療」です。名前だけを聞くと怖そうなイメージがあるかもしれませんが。

使われる薬はSSRIと呼ばれる「抗うつ剤」と「抗不安剤」の2つが中心になるようです。「わたしがうつ病じゃない!」と思う方もいるかと思います。そこまで深刻じゃないし一緒にされると不安になるかもしれません。

[抗うつ剤]

あくまで抗うつ剤は「うつ」の人に使われる薬ですが、「対人恐怖症」の人にも効くものだから使う、という位置づけになっているようです。

恐怖症になる人は、脳にある扁桃体(へんとうたい)という、脳に入ってきた情報で好き嫌いを判断する役割を果たしています。人よりもその活動が活発すぎるために、不安や恐怖を過剰に感じやすいという研究結果があるようです。

偏桃体の活動を抑えるのに「セロトニン」と呼ばれる物質が必要で。SSRIはセロトニンを増やす作用があるのですね。

感情を決定しているのは脳なので、脳の機能が過敏になっていることで神経症が起こる。だから薬を使って改善していく。そう考えると、病院で薬を出されることも納得がいくのではないでしょうか。

根本から改善していくので、飲んですぐに効果が出るものではないようです。少なくとも数週間は様子を見る必要があるようです。

[抗不安剤]

抗うつ材が、根本からの改善をはかるのに対し、その場の感情の高まりを抑えるもの。それが「抗不安剤」になります。

出てきた感情を抑える「頓服」のようなものと考えるとわかりやすいと思います。今の症状を抑えるために、即効性があるお薬なのですね。

早く効く代わりに、薬に対する耐性ができやすいようです。なので服用期間が長いほど、量が必要になってくるので難しい面もあります。

心療内科では、以上の2種類の薬を混ぜながら、根本からの改善を図るためにその量や種類を考えながら処方してくれます。

ただどうしても、半年など長いスパンでの治療が必要になりますので、費用負担もありますが、長期戦になる覚悟も必要になります。

なお、心療内科でカウンセリングを受けることを目的に行く人がいますが、中心になるのは薬物療法で、薬物の量や種類を見極めるために話を聞く。という原則を頭に入れておいたほうがよいかと思います。

病院にいって先生に話を聞けば心が楽になる・・という効果は期待できません。

認知行動療法

対人恐怖症には「認知行動療法」も有効な方法の一つです。

自分のものの見方、感じ方に「ゆがみ」がある。それを訓練によって改善していくのが認知行動療法です。不安は性格ではなく、自分の学習によって身についている部分なのだ、と考えるのがこの療法です。

この治療法を実施している医療機関は数少ないです。ただ自分でもできるように書籍が売っていますので、セルフケアができる分野でもあります。

具体的には、
・エクスポージャー・・不安を感じる状況に居続けて治す
・セルフモニタリング・・行動や気分など感じたことを記録し自分で客観視
・ソーシャルスキルトレーニング・・人との接し方を訓練
・認知修正法・・誤った考え方を修正する方法
などがあり、いずれも書籍を通じて学ぶことができます。

比較的簡単にはじめられるメリットはあるものの、強制力がないので続けるには意志が必要です。また、自分のケアが正しいかどうかの判断も難しいという側面もあります。

まだ症状としては浅いけど、コツコツ自分でケアしていきたい。自分のとらわれた思考を変えるきっかけにしてみたい。という「考え方」を学ぶだけでも、意味のあることかもしれません。