テンセル(リヨセル)の素材・服の特徴|扱い方も詳しく解説!

テンセルの素材って、どんな特徴があるの?

衣服の材料として使われるテンセル。あまりメジャーな素材ではないものの、お洋服に使われるシーンが多い物です。

テンセルの素材を使った衣服は、どのような特徴があり、どう扱うのがよいのでしょうか?

1.テンセルとは、どんな素材?

「テンセル」は、木材パルプを原料とし、特別な溶剤で溶かしてフィルターで濾過して作られる再生繊維です。

ナイロンやポリエステルのように石油を原料としておらず、紡糸後の溶剤を回収して再利用するため、廃液が出ずエコロジカルな新素材と言われています。

研究・開発した英国とオーストラリアの会社が合併したため、「テンセル」はブランド名、総称が「リヨセル」となり紛らわしいのですが、どちらも同じ繊維素材です。

ソフトでドレープ感がある素材感ながら、張りやコシ、弾力性が感じられる着心地は、カジュアルながらエレガントな雰囲気を持ち合わせています。

洗濯表示にテンセルは、指定外繊維と表示されますが、新素材ゆえに家庭用品品質表示法で定められていないためです。

2.テンセルの長所と短所

長所

ソフトな風合いと光沢感を持ち、繊維も柔らかくドレープ感があります。

また、ハリやコシ、弾力性があるため大きいしわになりにくく、カジュアルなデザインの衣料品でもエレガントな雰囲気が出せます。

さらに吸湿・速乾性もあります。染色性も良く、それまで綿素材にしかできなかったインディゴ染めの漂白加工もできます。

綿に似た自然の風合いもあることから、その強度やソフトな肌触りを活かし多くの生地に混紡されます。

短所

摩擦に弱く、毛羽立ちや白みやすく、濡れた時に受けるダメージが甚だしい傾向があります。

洗いすぎや脱水のし過ぎ、水洗いで縮みが見られます。部分汚れの際に擦るとその個所のみ白化が起きけば立つため、洗い方やお手入れに注意を要します。

3.テンセルは、どんな服に使われる事が多い?

テンセルは、エレガントなドレスや繊細な下着類をはじめ、その対極にあるようなカジュアルジーンズ、デニムシャツ、ダンガリーシャツ等のインディゴ染め製品にも使われています。

また、セーター等の二ット類、ユニフォーム、インテリアファブリック、肌触りや吸湿・速乾性を重視する寝具等と多岐にわたって使用されています。

サラッとした肌触りと着心地に加え吸湿・速乾性もあることから、春夏シーズンの衣料品に向き商品開発されています。

綿と混紡され、天然素材独特の硬さや厚みをソフトで軽やかなものにし、エレガントなドレープ感のあるデザインを可能にしています。

4.洗濯について

テンセルは、摩擦に(特に濡れている時)弱いため、硬い素材の他の衣料品と一緒に洗ったりするのを避けましょう。

洗濯時間を短くすることが望ましいです。

中性洗剤を使用し、できれば、洗濯物を裏返しにしてネットに入れるか、繊細な衣類は手洗いが理想的です。

乾燥は陰干しで、型崩れしないよう吊り干しや平干しなど、テンセルの混紡率の高い製品は、洗濯表示に従った方が安全です。

乾燥機は使わない方が良いです。

テンセル製品を始めて洗う際は色落ちする時もあるため、洗い物は分けて洗う方が良いです。

縮みや型崩れがある場合、中温スチームアイロンを当てながら少しづつ引っ張りながら形を整え手修正したり、着ているうちに自然に元に戻る場合もあります。

5.テンセルの収納で、注意すべきことは?

綿に風合いが似たテンセルは、綿やその他の繊維と混紡され、硬いシルエットにソフトな風合いを加えたり、素材の強度を補うようにして製品つくりに生かされています。

そのため、収納の際には、混紡してある繊維の特質によって収納場所や重ね方に注意が必要となります。

基本的に天然素材で他の天然繊維の混紡が多いことから、虫害を考慮する必要があります。

長期間保存する場合、食べこぼしなどタンパク質が付いている場所から虫害は発生しやすいことや、外出先で虫害のもととなる物を付着させたまましまわないように、必ず洗濯後にしまいます。

干している時に虫が付着する場合があるため、防虫剤の使用が必要です。

密封性の高い収納が良く、折りしわが付きやすい繊細な物は、上に重ねてしまうようにします。

6.品質のよいテンセル製品の見分け方

日本で加工されたテンセル製品には、正しく加工された製品の目印となるよう、必ずタグがつくように義務つけられています。

そのため、日本製のテンセルは外国製より品質が良いとされています。

日本製か外国製かを見分ける基準は、このタグのあるなしで判断ができます。

また、テンセル100%の製品には白いタグがつき、他の繊維の混紡の製品には紺色のタグが付けられ、テンセル入り商品を購入する際にはタグのあるなしや色で見分けられるようになっています。