年収いくらあれば、子供を大学に行かせられる?

自分のサラリーマンの給料で、はたして子供が大学に入れるのだろうか・・

子供がまだ小さくても、いずれは大学に入る時のことを考えなければなりません。

本人が希望するかどうかはわかりませんが、せめて大学に入っておけば人生の選択肢が広がります。

ただ、大学にかかるお金と仕送りを考えると、かなりの金額になるのも事実です。

世のお父さんは、どのくらいの年収で大学に通わせているのか気になりませんか。

文部科学省の統計データを参考に、他の家庭の年収の実態を調査してみました。

みんな年収いくらいで、大学に行かせている?

文部科学省の「家計負担の現状と教育投資の水準」によると、

●年収400万以下の親の31.4%

●年収600万以下の親の43.9%%

が、4年制大学に行かせているという調査結果が出ています。

年収400万円というと、手取25~30万に賞与という方が多いと思います。

少なくはありませんが、決して多いとも言えない水準であっても「3人に1人以上」が子供を大学に通わせているのです。

3人に1人は少ないと思うかもしれませんが、そのほかにも「もともと進学を希望していない子供」も含まれていますので、決して低い水準ではないでしょう。

つまり、年収が少ないかも・・と思っていても、子供をどうにか通わせることはできるということなのです。

もちろん、親によっては奨学金を使ってもらったり、子供にアルバイトをさせて生活費をまかなっているケースもあると思いますが・・

少し乱暴な言い方をすれば、「子供1人行かせるなら、なんとかなる」ということです。

大学4年間でかかる費用は?

同じく文部科学省が提供している統計データ「家計負担の現状」によると、4年制の大学でかかる費用は以下のとおりです。

●国立大学
(自宅)2,876,000円 (下宿・アパート)5,332,000円

●私立大学
(自宅)5,175,200円 (下宿・アパート)7,905,600円

平均すると、これだけかかる計算になります。

ちなみに幼稚園から大学までかかる費用は、公立と私立で費用の差がありますが、

最小で総額800万円、最大で総額2400万円の間のお金がかかります。

一番かからないのは、「幼稚園から大学まですべて公立(国立)で自宅通い」で、一番かかるのは「すべて私立でアパート暮らし」になります。

年収別、平均貯蓄額

では、他の家庭は子供の将来に備えて、どのくらいお金を貯金しているのでしょうか?

金融広報中央委員会が調査した資料「年間手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合」によりますと、

●年収300万円未満
●年収300~500万円未満
●年収500~750万円未満

いずれも、「貯蓄割合が10~15%」が最も多く、次いで「5~10%未満」になっています。

たとえば月の手取りが20万なら「毎月2~3万」、30万なら「毎月3万~4.5万」程度の貯金している人が最も多いという計算になります。

毎月  2万円の貯金×12か月×18年=432万円
毎月4.5万円の貯金×12か月×18年=972万円

別途学資保険で積立している人もいるかもしれませんが、金額的には「18歳の満期に200~300万円」という試算になります。

つまり、毎月平均的に貯金をしつつ学資保険もプラスすれば、最低でも600万以上貯蓄できることになります。

少なくとも大学入学時にお金が足りない・・ということは考えられないのです。

~ちなみに~

年収500万未満の方で、まったく貯蓄しない人の割合が35%いますので、気をつけたいところです・・

学費や生活費が足りないとき、みんなどうしている?

今までお話した貯蓄額はあくまで「0歳から18歳までずっと貯金した場合」です。思い通りに行かないこともあるかもしれません。

もし、学費や生活費の見通しが立たない・・と大学に入る前にわかった親はどうしているのでしょうか?

仕送りナシで、学費だけを払う

親の方で、半期ごとにかかる学費だけを支払ってあげて、生活費は子供でまかなってもらうというパターンが多いです。

奨学金を利用したり、アルバイトで生活費をまかなってもらうというのが定番です。

ただし、奨学金は親の収入状況や学業成績などが考慮され、必ず借りられるわけではありません。

アルバイトをするのが確実ですが、「家庭教師」が大学生の稼げるバイトの定番で、実際私も私の周りもみんなやっていました。

本人のやる気と適性にもよるのですが、月10万をかせいでいる友人も何人かいました。あまり子供をあてにしてはいけませんが、生活費を自分でまかなってもらうというのも一つです。

学生寮という手もある

親元から通えず、地方の大学に行く場合は「アパート」よりも「学生寮」の方が安く住めます。

国立大の学生寮になると、中には「月5000円」(食費は別)というところもあり、賃貸するよりも大幅に家賃を節約できます。

教育ローンを借りる

奨学金は、「子供が社会に出たら返す」ものですが、親が返すものは「教育ローン」になります。

日本政策金融公庫が扱う「国の教育ローン」が定番で、350万まで借りることができます。

専業主婦であればパートに行く

奥さんが専業主婦であれば、パートに行かざるを得ないケースもあります。現に私の大学時代の友人も「大学に入ってから親がパートに行きだした」という話を聞いています。

そもそも子供を大学に行かせることは必要?

経済的に無理で行かせてあげられない場合、どんなデメリットがあるのでしょう?

大学に行かせるメリット

●就職の選択肢が広がる(大卒でないとダメな会社は大手に多い)
●人生を謳歌させてあげられる
●バイトで社会に触れながら、じっくり考える時間が持てる
●世間体をある程度保てる

大学に行かせるデメリット

●経済的負担が増える
●子供にやる気がない場合、ニートになって無駄になるリスクも
●高卒でもできる子は社会で伸びる

最終的には”子供に選択肢を与えられる”ことが理想

個人的には「親が必要か必要でないかを判断すべきではない」というところではないでしょうか。

あくまで本人が大学にいくメリット・デメリットを自覚したうえで「いくいかない」を決めること。

理想は「どちらに転んでも、行きたいと言ったときのためにお金を用意してあげる」ことだと思います。