賃貸なのにガス代が高い理由と、今すぐ安くできる2つの方法

賃貸で頻繁に使っていないのに、ガス代が高い!払いすぎなんじゃないの?

アパートやマンションで暮らしていると、当然「光熱費」がかかってきます。

ガス代って、電気代や電話代のように頻繁に使っていないだけに、少しでも高いと”損した気分になる”気がします。

「食事を簡単に作る」
「お湯をわかす」
「風呂をわかさず、シャワーで済ませる」

たったこれだけなのに、毎月5000円以上かかるのはどう考えてもおかしい・・

どうして、こんなにガス代が高いのか
どうやったら少しでも安くできるのか

について、徹底的に調べてみました!

1.なぜ、賃貸なのにガス代が高いの?

そもそも、ガス代はなぜこんなに高いのでしょうか?

ガスは「都市ガス」か「LP(プロパン)ガス」のいずれかを使うことになります。

こちらが自由に選択することはできず、マンションが建っている場所によって決まってしまうのです。

プロパンガスだと、都市ガスの倍以上の料金が発生するケースがほとんどなのです。なぜなら、都市ガスは「公共料金」で料金の引き上げを勝手にできません。

プロパンガスは民間のガス会社による「自由競争」になりますので、「自由に設定した値段」で契約することになります。

本来なら、「自由競争」というとガス会社同士が料金を下げるようにがんばりそうなイメージがありますが・・

賃貸住宅はあらかじめ大家さん(or 管理会社)によって「指定」されているので、競争もなにもなく「好き勝手に高い値段がつけられる」という事情があります。

入居者の都合などお構いなしに、利益が十分出るようなガス料金に設定されているのです。業者ごとでも価格は違いますし、地域によってもガス料金は開きが出てきます。

~ちなみに:都市ガスは自由化して、さらに安く~

2017年4月に、電力だけでなく「都市ガスの自由化」もはじまりました。

今までは、国が認可したガス会社のみの販売で値段は固定だったのですが、「価格を自由に」決められるようになり、さらに「業者の新規参入」も認められるようになりました。

これからさらに、都市ガスの料金は安くなります。プロパンは、もともと自由だったので何も変わりません・・

都市ガスとプロパンガスの違い

都市ガス プロパン
仕組み 地下のガス管からガスを引っ張る ガスボンベを設置して送る
料金 安い
公共料金
高い
自由料金
火力 弱い
※LPと比べて
強い
その他 一軒家:業者を選べる
賃貸:あらかじめ指定

プロパンガスの唯一のメリットは「火力が強い」という点があります。飲食店の厨房など、強い火力で調理したいところには向いていますが・・

料金の面では、いくら火力が強くて「プロパンの方が早くお湯が沸く」といっても、ベース料金が割高な分、都市ガスの方が安くなります。

都市ガスの方がメリットが大きいのですが、「都市ガスが使えるマンションが限られている」こともありますので、引っ越すときにあらかじめ「都市ガス指定」で場所を探さなければならないという難しさがあります。

ガス料金よりも、立地や家賃、室内の雰囲気など、優先させたいことはいっぱいありますが・・

2.ガス料金の相場、適正料金はいくら?

「プロパンガス料金は高いのはわかったけど、みんなこれくらい払っているもの?」

プロパンガスの料金は
●基本料金
●従量料金(使った量に対して払う料金)
の2つがあります。

手元にガス会社からの料金明細があれば、照らし合わせてみると良いですよ。

プロパンガスの基本料金の相場

全国的な平均金額は:約1850円 です。

●北海道 :2095円
●東北地方:1845円
●関東地方:1751円
●中部地方:1839円
●近畿地方:1858円
●中国地方:1940円
●四国地方:1830円
●九州地方:1803円
●沖縄  :1730円

(参考:石油情報センター

プロパンガスの従量料金の相場

1㎥あたりの使用量は、使う量によって細かく分かれているため平均を出すのが難しいですが、

1㎥あたり、およそ500~600円 くらいが相場になっています。

3.ガス代を節約する2つの方法

基本料金ではさほど大きな差は出ませんが、従量料金分を安くしなければ「使った分だけ割高」になってしまいます。

●ガス会社を切り替える
●ガスの使う量を見直す
という2つの方法を見ていきましょう!

ガス会社を切り替える

都市ガスのあるところに引っ越す

一番ガス代を安くできる方法です。ただ「そのためにわざわざ引っ越すの?」という問題があります。

近い将来「引っ越し」をする予定がある方ならよいですが、そうでなければ「ガス代より費用がかさむ」ことになります。

もちろん、毎月1万以上のガス代がかかるのなら、長い目で見るとよいかもしれませんが・・

「都市ガス対応のマンション」という条件で、物件を探すようにしましょう。

ガス会社に、直接交渉する

現実的には、「ほぼ不可能」と思ってもらって間違いありません。

●どうして、大して使いもしない個人のために、安くする必要がある?
●「前例」を作ってしまうと、他の入居者にも交渉されてしまう

ガス会社にとって「どうしても繋ぎとめておきたいお客さん」ではないので、こちらの要求をのむことは”まずありえない”でしょう。

大家さんに交渉して、プロパンガス会社を切り替える

個人的には「ダメもとでも、やってみる価値がある」ものだと思っています。

一軒家ですとファミリーで暮らしている人が多く、ガス会社を選べる(大家のしがらみがない)ため、安いところを自由に選べます。

ところが賃貸の場合は、自動的に契約する業者が決まっているので、

●大家やガス会社と交渉するのが面倒
●ガス会社が変更できないと思い込んでいる
という人が多く、具体的な行動に移す人は少数なのです。

賃貸ですと、はじめから「ガス会社指定」ですが、ガス会社を変えられる可能性はあります。

もともと大家さんや管理会社と結びつきが強い会社であれば難しいですが、「とりあえず指定」している場合も多いのです。

交渉といっても大げさなものではなく、「管理会社」に「ガス会社を変えてもいいですか?」と聞くだけです。

無理ならそれまでですし、OKならこちらで契約をこちらで切り替えればいいだけの話です。

「こちら側で手続きをするならOK」といわれるケースも多いので、やってみる価値はあると思います。

OKなら、どうやって切り替える?

●今のガス会社に連絡を入れて、解約を申し出る
●新しいガス会社に契約を申し出る
の2つが必要です。

プロパンガス会社の切り替えであれば、ガスコンロや給湯器などの変更は必要ありません。外に備え付けてあるガスボンベとメーターのみ変更するだけで、大がかりな工事は発生しません。

「新しいガス会社」は、ネットで「地域名+ガス」で探すか、電話帳で業者を探しましょう。

一軒家なら『エネピ』のように、ガス料金を比較できる仲介サービスもありますが・・

電話するときには、

●ガス会社の切り替えを検討していると、伝える
●基本料金と従量料金がいくらかかるか聞く

という2つをしっかり行いましょう。

ガス会社にとっては「新しいお客さん」が来ることになるので、従来の「とりあえず割高」な料金を提示してくる可能性は低いのです。

回答によっては「検討します」とだけ言って、電話を切って保留にすればよいでしょう。

デメリットは、入居者側で手続きをしなければならないという手間がありますが・・

ガスの使う量を見直す

毎月「無駄に使っている」ガスを見直してみる、というのも一つです。

具体的に、どういった使い方をすれば「ガスの使用量」を抑えらえるか見ていきましょう。

食事編
火力は「中火」が基本

ガスコンロでお湯を沸かしたり、フライパンで炒め物などをする時は「中火」が鉄則です。

弱火を続けた方がなんとなく節約になる気がしますが、「熱効率が一番よいのは中火」なので「ガスを使っている時間が短く」なりガス代の節約になります。

“もったいない”から弱火ではなく、”もったいない”から「中火」なのです。

入浴編
節水シャワーヘッドは節約にならない

シャワーヘッドだけを取り換えて、使うお湯の量を減らせる「節水タイプのシャワーヘッド」も売っています。

たしかに流れるお湯の量は減りますが、その分「洗い流す効率が悪くなる」ため「ガスを使う時間が長く」なります。

水道代の節約にはよいですが、ガスの使用量という面から考えた時には、良い選択とは言えません・・。

シャワーの流しっぱなしはダメ

お風呂の時間は「お湯を出している時間」をいかに短くするかがポイントです。

「湯船につかっていないから、シャワーで節約になっている」とつい油断してしまいがちですが・・

「頭・体をゴシゴシ洗っている時間」「シャンプーなどを泡立てている時間」は、こまめにシャワーの蛇口をとめましょう。

ずっと流しっぱなしがクセになっている人も多いと思いますが、15分も20分も流しっぱなしにしていると、浴槽にお湯を貯めているよりも多いお湯を使っていることになります。

湯船につかりたければ、半身浴を

お湯を肩までためてつかるのも疲れが取れる気がしますが、半身浴にすれば使うお湯の量も節約でき、体の疲労回復にも効果があります。

また、お湯をためておく温度も「ぬるめ」にすることでガスの使用量も抑えられますし、熱いお湯は健康にもよくありません。

浴槽から出ている間は、フタをする

習慣にするまで大変かもしれませんが、洗い場で体を洗っている間は「お風呂のフタをしめる」のを徹底しましょう。

細かいことですが、湯船のフタがあいている間は湯気が蒸発して温度が下がります。「お湯の継ぎ足し」をするのが無駄なガスになるので、フタをしめるのが合理的です。