マイナンバー制度、ついにはじまりましたね。なんだかよくわからないまま、スタートしたという実感をされている方も多いのではないでしょうか。
特に気になるのが「個人番号カード」。これって作ったほうが良いのかどうか判断がわかれるところかもしれません。
お役所のホームページとか見ても、あたりさわりのないことばっかですし。
自分への備忘録もかねて、リアルに気になることについてまとめてみました。
マイナンバー制度ってぶっちゃけ、なんのため?
個人番号カードにいくまえに、そもそもマイナンバー制度って何なん?というところから。
社会保障や税金や災害分野で個人の管理を行うために、住民票を持つ国民1人1人に与えられた背番号。おおまかに言うとこんな感じですよね。
社会保険や年金や税金などの届け出が簡単になって、処理する側の負担も軽くなってお互い良いですよね。というのが建前になっているようですが。まあ、嘘ではないのかもしれませんけどね。国にも国民にもメリットがあるという。ただそこまで必要なメリットなのかというのはおいておきます。
ホンネは
ネットを見ると徴兵制にするために、働かない人・資産がない人を自衛隊に派遣するだのいろいろな憶測が飛び交っています。この辺は根拠もないですし、真に受けるのもどうかと。
本音としては「税金の徴収漏れを防ぐため」ではないでしょうか。個人の納税状況、資産状況などがすべて管理されると言われていますから。国としては「取れるところからとっておきたい」というところでしょうか。正しいことなんですけどね。払ってないほうが悪いんですから。
あとは年金や生活保護の不正受給を防ぐという点もあります。国から給付を受けた情報もすべて一元化されますから、これからはあまり汁を吸おうとしてもできないわけです。
まともな思想の持主であれば、国がまっとうなことをしているという判断ができるでしょう。なんか国から搾取されるんじゃないの?っていうイメージがありますけど。
あとはマイナンバー関連の市場は1兆円ともいわれていますので、個人情報を管理するシステム会社などは潤うでしょうね。そうした経済の循環に貢献するという意味でも、国にとってはプラスなんじゃないですか。
会社の管理する側からしたら、個人情報の管理をいかに行うか?で余計な対応をしなければならないので大変です。わたしは大企業ではないのですが、大きいところですとマイナンバーを外部に流出させないインフラを作るだけで相応の時間と費用がかかるでしょう。
副業していたらばれる?
「会社にこっそり隠れて副業なんてできなくなる」という話も飛び交っていますが、正しくはありません。年間20万以上の収入がある場合は確定申告をして源泉税を納めなければなりませんが、払ってなかった人が「国にばれる」ということ。
副業するなら確定申告をしないと「税金の申告漏れ」で過去にさかのぼって払わないとだめになるのです。確定申告しても住民税は個人で払うように手続きすれば会社にばれません。
個人番号カードってどう?
前置きが長くなりましたが、個人番号カードに入りたいと思います。すでにマイナンバーを書いた「通知カード」が手元にあると思います。さらに郵送かスマホで写真とって送れば、顔写真入りのICカードができるんですね。これが「個人番号カード」。
現時点ではこのカードがあっても、使用用途は限られます。ですけど将来は、これ1つでいろいろな手続きができるようになります。ですが気になるところは、
・「個人番号カード」を作っておくと得なのか?
・悪用されるデメリットがでかいんじゃないのか?
という2点なのではないでしょうか。
「個人番号カード」を作っておくと得なのか?
将来的にどこまでの範囲で、使えるようになるのかというところ。住民票や印鑑証明がコンビニでとれるという点、電子証明書を使った手続きが簡単になる点。このあたりが当面は便利になります。
仕事で頻繁に使う人でなければ、それほど便利になることはないのなか、と思います。ただ将来的には「銀行口座が作れる」「健康保険証になる」「パスポートが作れる」「携帯電話の契約ができる」「クレジットカードが作れる」など用途拡大していきます。(あくまで予定ですので、確定ではありません)
おそらくこれだけでは、メリットが自分にあるのかどうかがわからないと思います。
携帯電話の契約など、身分証明だけが求められるものであれば特にメリットはありません。車の免許証があればよいからです。公共料金の支払いについてもこれが言えます。
ただ銀行口座開設やパスポート、クレカなどは個人番号カードがあると便利です。公共料金を請求した紙や収入証明・住民票の写しが免許証とは別に必要になるからです。個人番号カードがあると、わざわざ用意しなくてよくなるでしょう。これは想像すればわかることです。
今後使える用途はさらに広がってくると思いますので、手続きが楽になるのは間違いありません。なので「取っておくべき」だと思います。今は予定がなくても、節目節目で利便性を実感するようになるはずです。
常に持参するカードが減るというよりは、書類をあらたに用意しなくてもよい「手間の軽減」が大きいのです。
悪用されたりしない?
物事には表と裏があります。メリットがあればデメリットも当然あるのが世の中です。気になるのが「個人番号カードを悪用されないか?」という点だと思います。
・手続きの際に、担当者に番号をこっそり控えられた
・紛失して、第三者の手に渡った
というリスクが当然あるわけです。カードをもっていると。
番号だけ抜かれてもリスクはない
将来的に携帯電話の契約手続きができるとなると、窓口の担当者がこっそり番号を控える・・ということも普通にできます。ただ、番号だけ抜かれてもリスクはありません。
マイナポータルというサイトで、個人情報を誰しも確認することができます。行政機関の利用状況・年金の納付状況・確定申告状況など。これを見れば、個人の資産状況がわかるわけですね。
マイナンバーだけではサイトにアクセスできません。暗証番号が必要になります。当たり前といえば当たり前なのですが、簡単に個人情報を見ることはできないのです。パソコンのウイルス感染のほうが怖いんです。
カードがあれば別ですが、単純に番号だけを知っていても悪用できません。住民票は作られる可能性がありますが、今までも第三者がその気になれば入手できますから、特段リスクは変わりません。
紛失するとどうなる?
便利になればなるほど、失ったときのリスクは大きなものとなります。将来的なことを考えると、紛失によるリスクは大きくなるのは目に見えますよね。
顔写真付きだからといっても、その部分を張り替えて「なりすまし」することは不可能ではありません。健康保険証代わりに使われたり、クレジットカードや消費者金融の利用のリスクもあります。パスポートや銀行口座開設もされるリスクはあります。
単純にクレジットカードや免許証を落としたときよりも、リスクが大きいのは明らかです。どこまで悪用されるかが、落とした人には想定できないからです。
だったら危ないからやらないほうがいいいのでは・・と思うかもしれませんが、私はそうは思いません。落としてもすぐに手を打てるからです。個人番号カードのコールセンターは24時間365日受け付けています。そこに電話を行えば、カードの一時停止措置をとってもらえるからです。
財布を落としたら、健康保険やら免許証やらカードやら、いろいろな場所に連絡しなければなりません。ですが孤児番号カードは、ワンストップで済むのです。そう考えると、対処はしやすい問題かなと考えます。マイナンバーは市町村の番号手続きも申請できます。紛失による悪用が心配される場合は、受け付けてくれるのです。
結局のところ、生きているうえでリスクはあります。免許証を財布に入れているだけでリスクなのです。悪用されたらどうしようと考えて、免許証を作らない人がいるのでしょうか。被害の範囲が広い狭いのもないではありません。リスクに対してどうフォローできる体制を整えているのか、これが大事だと思います。
落としたら個人番号カードコールセンターに電話する。スマホの電話帳にいれておくとよいです。電話して手続きをとってもらえばよいのです。その際に、自分がどこまでの行動をとるべきなのか指示を受ければ良いのです。
リスクばかりを心配するより、対処方法をしっかり抑えつつ、そのメリットを享受するほうが建設的なのではないでしょうか。なので「個人番号カード」は持つべきです。
○個人番号カードコールセンター
https://www.kojinbango-card.go.jp/otoiawase/index.html