【体験談あり】マンションに地震保険は必要?加入すべきか迷っている方へ

東日本大震災をきっかけに、地震保険への注目が高まっています。

誰も予測し得ない地域にて起こった数万人規模での被災者は、我々に「日本はどこにいても安全ではない」現実を直視せざるを得ない状況を作り出しました。

一戸建てはもちろんですが、マンションに住む場合も他人事ではありません。

分譲の場合は建物が損壊した場合には、保険に加入しなければローンも残るし建物の修繕費用もかかるという最悪のケースも考えられます。

マンションで地震保険はそもそも加入すべきか?基本的な地震保険についての知識と、実際に保険に加入されている方に体験談を伺ってきました。

マンションの地震保険とは、そもそもどういうもの?

地震保険はそもそも損害保険の一つで、地震はもちろんのこと津波や噴火などによる被害も含まれます。それらの災害による「火災、損壊、埋没」が対象になります。

地震保険は単独では存在せず、必ず火災保険とセットでの加入が義務づけられれているものです。対象となるのは「住んでいる建物」と「建物に収用されている家財」になります。

ただし家財といっても、有価証券や高額な貴金属は対象外になるなど例外もあるので、事前にしっかり適用範囲を確認する必要があります。

地震保険の中身ですが、どこの保険会社も大きな差はありません。

保険金の支払いは、保険会社の調査、調査員による検査を通じて判定されます。

全損・・・・ 保険金額の100%
大半損・・・ 保険金額の60%
小半損・・・ 保険金額の30%
一部損・・・ 保険金額の5%

が、支払いの適用金額です。

保険料率は、お住まいの都道府県、そして建物の構造によって異なります。

では実際に、マンションにお住まいで地震保険に加入された方のお話しを伺ってみましょう。

現在お住まいのマンションの間取りと、築年数とおおよその購入価格を教えてください。

間取りは3LDKで専有面積が約62平方メートル。

築年数は17年目で、購入価格はおよそ1900万円です。現在の時価額は1600万円くらいです。

どんな地震保険に加入されていますか?

加入している会社は損保ジャパン日本興亜です。

保険名は住宅金融支援機構特約地震保険。補償内容ですが、全損は建物の時価額50%以上の損害を負った場合に、時価額を限度して保険額の全額。

大半損は建物の時価額40%以上50%未満の損害を負った場合に、時価額を限度して保険額の60%。

小半損は建物の時価額20%以上40%未満の損害を負った場合に、時価額を限度して保険額の30%。

一部損は建物の時価額3%以上20%未満の損害を負った場合に、時価額を限度して保険額の5%。その他、火災保険も特約付きなので別途規定があり、津波や水害などによる浸水も適用されます。

マンションでも地震保険に入るメリット・デメリット

東日本大震災の被災地となったところに住んでいるのですが、津波被害はなかったものの、地震によって建物にひび割れや、地盤沈下によってエントランスが波打つなど、様々な被害がありました。

しかし地震保険に加入していたため、修繕計画を大きく変更することなく、各所の修繕を行うことができましたし、それによって資産価値が損なわれることはありませんでした。

更に専有部分に関しても一部損壊ということになり、リカバリーに十分過ぎるくらいの保険金がおりました。

築年数が古くないマンションならば、大地震でも全壊する可能性は低く、特に免震や耐震にすぐれた物件ならば、住むのにまったく支障がない程度の被害で済みます。

それだと地震保険だけですべて賄えるというのが大きなメリットです。

デメリットは大地震に合わないときは保険料が無駄になるくらいですが、この国では備えあれば憂いなしだと思いますし、経験からして加入しておいた方がいいと思います。

マンションのローンが残っている状態でマンションが損壊すると、地震保険でカバーできますか?

マンションのローンが残っていても、免震や耐震構造のマンションなら、一部損か小半損くらいで済む可能性が大です。それなら保険でカバーできます。

実際に地震が起きて損壊した場合、保険金や補償を受けるまでの流れ

給付までの流れですが、共用部分に関してはマンション組合の方で、保険会社と折衝してくれたので、その係になっていなければ承認や委任の書類に印鑑を押すだけです。

専有部分に関しては保険会社の方から、ひび割れなど地震で生じた問題個所を記載するアンケートが加入者に配られ、そこに気になる部分をすべて記載します。

すると調査員がやってきて、具体的に一か所ずつ検査をします。その後、それらの箇所についての評価報告書が届き、同時に保険金振り込みの書類が同封されてきたので、署名捺印などして返送しました。

あとは指定日に間違いなく入金されました。

地震発生から、入金までは約半年、保険会社のアンケートからは3ヶ月くらいはかかったように思います。

東日本大震災くらいの地震ならば、保険会社も多忙になるので、それくらいの日数は覚悟した方がいいでしょう。

これから地震保険に入ろうとする方に、おすすめできますか?

経験上、免震や耐震構造のマンションだからこそ加入しておいた方がいいと思います。

東日本大震災の時、地震保険はあくまでも生活再建の一助という位置づけらしく、一軒家で倒壊した場合などは、地震保険に加入していても、再建の頭金くらいにしかならないと津波被害を受けた方に聞きました。

それに対し、津波があっても浸水被害の心配のない場所で、しかも免震や耐震構造のマンションなら、震度7でも大きな被害は免れると思います。

しかし建物以外の共用部分などには細かな被害が出るでしょうし、建物にも多少のひびが入るかもしれません。

その時に地震保険に入っていれば、時価額の高い物件だとお釣りが出るくらいの保険金がもらえます。地震の多い国に住んでいる以上、損はないと思います。