孤独死の後始末で身内に迷惑をかけたくない!どんな準備が必要?

今もこれからも、ずっと独身。自分が死んだ時に、周りに迷惑をかけたくない・・

私は40才になりますが、「このままだとずっと一人だな・・」と思っています。

結婚できないのは縁がないので「孤独死」は仕方がないと思っていますし、そこまで悲観的になっていません。

ただ、このままいけば誰に看取られることもなく孤独にマンションの一室で死を迎えるのだな・・とふと思います。

「自分が死んだ後の処理は、どうなるんだろう」
「兄弟や親せきはいるけど、迷惑をかけたくない」

自分が生きている間に、人に迷惑をかけずにやっておけることはないのか?を考えて調べてみました。

生前にやっておくべきこと

「後始末」をしっかりするために考えておくべきことは、
●葬儀について
●遺品整理
●財産の管理
の3つです。

独身の葬儀費用は、いくらかかる?

自分がなくなった場合、葬儀をして火葬までしてもらわなければなりません。

私は両親もまだ健在ですが、順番からすると両親が先に旅立つ可能性が高いのは間違いありません。

兄弟や親せきも一応いますが、彼らに費用負担をさせるのは心苦しい、だからこそ費用だけは残しておきたいと思うんです。「死んだから、あとは知らない」では、あまりに無責任だというのが私の考えです。

葬儀にかかるお金

葬儀を行うと、いったいどれくらいのお金がかかるのでしょうか?

一般的な葬儀を行った場合の全国平均:178.2万円(飲食代・返礼品がそれぞれ30万ずつ)

(葬儀サービスの鎌倉新書による「お葬式に関する全国調査」の調査結果より)

もちろん、出費の分は香典で埋め合わせをしますが、よほど生前の交友関係が広かった人、親せきが多い人でない限りは「赤字」になるのが通常です。

正直、「海に遺灰を散骨してくれればいい」と思ったこともありますが、それにしても葬儀をして火葬しなければなりません。

まったく身寄りがない場合は、自治体が火葬処理してくれますが、兄弟や親せきがいる場合は、その人たちに連絡がいくので迷惑がかからないようにしたいところです。

大々的な通夜や告別式はいらないので、「家族葬」という選択肢が一番無難ではないでしょうか。生前にそうしたメモを書き残しておけばよいでしょう。

家族葬と一般葬との違いは?

葬儀の流れは一般葬と一緒ですが、会場をコンパクトに抑え、家族や親族、友人など、本当に親しい人だけでひっそりと行うものです。

家族葬を中心に手掛ける「小さなお葬式」と呼ばれるところでは、約49万円でとりおこなえます。

ちなみに小さなお葬式では、「生前契約」もできます。いざ無くなってから兄弟や親せきの負担を減らすように、こちらで葬儀の内容を決めてお金を支払っておくことができるのです。

遺言書のような簡易的なものを作っておいて、兄弟や親せきがわかるようにしておけばよいだけです。

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葬儀費用は、どうやってためる?

家族葬にする場合、およそ50万円用意しておけば足りるでしょう。

「50万円、貯金しておけばいい?」と思うかもしれませんが、生命保険に入っている場合は必要ないかもしれません。

今加入している保険が「終身保険」であれば、死亡時に200~300万円の保証金がついているケースが多いです。

両親が万が一なくなれば兄弟や親せきの誰かを受取人に変更しておけばよいだけです。

ただ、独身者にとって「終身保険」は割高で、高い保険料を支払っていることも多いので注意した方がよいです。

特に昔に生命保険に付き合いで入って、今も継続している人には「無駄に高い保険を払っている」可能性が高く、「保険料を安いのに切り替えて、浮いたお金を葬儀費用として貯める」のが一番賢かったりします。

昔の生命保険は、独身なのに家族がいる人並みの死亡保障がついていたり、年齢とともに保険料が値上がりするなど無駄が多いものばかりです。一度「保険の見直し」をしても損はないでしょう。

遺品整理

孤独死すると、一人暮らししているマンション(アパート)の荷物を処理しなければなりません。

一人なので荷物の量は知れているとはいえ、これも兄弟や親戚が行うことになります。自分の部屋の跡片付けなら、時間をかけてできるかもしれませんが、”身内の処理を”一から頼むのは酷な話です。

荷物の処理は「遺品整理業者」にお願いするのが一般的です。遺品整理士と呼ばれる資格を持った人が部屋に入り、故人の部屋を滞りなく整理処分してくれます。

主な内容は

●不用品の処分
●荷物の仕分け(金品・権利証などの書類・思い出の品・買取品)
●貴金属などの買取り
●水回りの清掃

などがあります。

遺品整理にかかる費用は?

部屋の広さ、荷物の多さによって変動しますが、独身者の場合

1DK程度の広さ、荷物の量:9~15万円 が相場です。

生前にやっておけることは?

遺品整理は基本的に「なくなった後、業者に丸投げ」というのが一般的です。必要な費用だけはためておいて、兄弟や親戚が使えるようにしておけば大丈夫です。

ただ、どうしてもその場に立ち会ったり、処理を見届けるので大変なことは大変です。

今のうちから「生前整理」をしておくという方法もあります。

つまり、遺品整理の負担が最小限で済むように、あらかじめ「コンパクト」にしておくのです。

遺品整理でやることと基本的には同じですが、処理などの負担が軽い分、費用も5万程度と抑えられます。

●生活スペースがシンプルになる
●生前整理後、余計なものを買わなくなる
●残しておくべきものが、明確になる
●眠っていた貴重品を買い取ってくれるので、多少の小遣い稼ぎ
などのメリットがあります。

財産の管理

別に資産家じゃないから、財産管理はどうでもいい。ということはありません。

「自分が死んだら、葬儀費用や遺品整理は自分の銀行口座のお金を使ってくれればいい」と思っていました。

ところが、そんな簡単な話ではないのです。

本人が死亡すると、銀行の「預金凍結」になってしまいます。

銀行の預金凍結に注意

必要な費用をタンス預金しておくのは、火災や盗難などのリスクがあります。自分の預金通帳にいれるのが一般的ですが・・

預金凍結してしまうと、身内が「引き出したい」といっても簡単に引き出せなくなります。

●戸籍謄本
●印鑑証明
●実印を押した所定の用紙

などの書類を、「相続する人全員分」「銀行口座ごとに」提出して申請する必要があるのです。

残された遺族の手間を考えると、かなりきついものがあります・・。遺言書を作成すれば、凍結の手続きは簡単になるのですが、今度は「こちら側の負担」が重くなるのです・・

遺言書によっては、預金凍結をスムーズに解約できる

ここで余計な手間をかけさせないために、私たちができることは「遺言書」を残しておくことです。

遺言書には2つの種類があり、
●自筆証書遺言
●公正証書遺言
「公正証書遺言」であれば預金凍結がスムーズに手続きできます。

「自筆の方が、本人を証明できるのでは?」と思ったのですが、あくまで自分で書いたものというだけであって、遺言書として公的な力を持つのは「公正証書遺言」なのです。

公正証書遺言とは、公証役場(法務局の管轄)に出向いて、公証人(公正証書にする権利を持った人)にお願いして作る遺言なのです。

※公正証書・・公証人が作った権利の証明書のこと。

※「公証役場」は役所ですが、普段の手続きではなかなか行かない”特殊な場所”です。

●必要書類の取り寄せ
●遺言書の案の作成、公証役場に連絡
●公正証書の作成、公証人との打ち合わせ

という手続きが必要です。手続きが大変なので、弁護士や司法書士にお願いして手続きのサポートをしてもらうこともできます。

[弁護士・司法書士にサポートを依頼する費用]
●5万円前後が相場

[公正証書作成に必要な費用]
●証書作成・・500万円以内の相続なら5000~11000円
●遺言手数料・・11000円

手続きを一部お任せしてから出来上がるまで、およそ5~7万円かかります。

作成した遺言書は、
●遺言書の保管場所を信頼できる人(兄弟・親戚)に伝えておく
●弁護士に預かってもらう
という選択肢があります。

エンディングノートを作ろう

なお、遺言書の場所やその他の連絡事項は「エンディングノート」という冊子に書き留めておくとわかりやすいです。

法的拘束力はないのですが、あくまで「自分がなくなったあと、やってほしい手続き」について書き留めておくのです。エンディングノートの指示に従ってかいていけば、自動的にできあがります。

大きい書店や文具屋さんにいけば売ってますし、ネットでも買うことができます。

●葬式とお墓について
●遺品整理について
●自分の銀行口座、カード情報や保管場所
●公正証書遺言の保管場所
などをエンディングノートに書き留めておくと、後に残された人はとても助かります。

~エンディングノートをタダでもらえる裏ワザ~

エンディングノートは、大きい文具屋さんでも買えますが1000円以上します。

家族葬を手掛ける葬儀会社の「小さなお葬式」というところで資料請求すると、エンディングノートがもらえるキャンペーンをやっています。

資料請求自体も無料ですし、自分が葬儀をしたらいくらくらいかかるのか目安もわかるので、やっておいて損はないかもしれません。

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財産は、誰に行く?

「自分の後処理でお金を使ってもらうのはいいけど、その残りの分は誰に行くんだろう・・」と気になりました。

公正証書遺言は、預金口座凍結のための対策として作っておいた方がいいです。それ以外にも、「誰にいくら渡すか」を決めておくためにもあります。

あらかじめ遺書で指定すれば、誰にいくら支払うのかはこちら側で決めることができます。

よく「自分が死んだら配偶者か子供に財産が行く」という話がありますが、あくまで遺書がない場合、法律で決められている順番に従っているだけのことです(法定相続といいます)。

法定相続は、以下の順番になっています。

●配偶者がいない場合→両親
●両親がいない場合は→祖父母
●祖父母もいない場合→兄弟 or 甥・姪

孤独死した後の不安|発見・アパートの損害賠償は?

「いざ、自分が孤独死すると、その後はどうなるんだろう・・」

●誰にも発見されない?
●孤独死すると大家から損害賠償になる?
●ちゃんと引き取ってもらえる?

あとを処理する人のことを考えると、どうしても気になったので調べてみました。

誰にも発見されなかったら?

一人暮らしでマンションに住んでいると、いきなり心不全などで無くなる可能性だってあります。

ふだんマメに連絡を取り合っている人がいないと、ずっと死体が放置されたまま・・ということだってありうるワケです。

ほとんどの場合、同じマンションに住む隣人からの通報で発見されるそうです。

アパートなど密閉度の低い場所なら、異臭はすぐに耐えられなくなり早期に対応されやすいですが、新しく密閉性が高いマンションになると、そうとう腐敗が進まないと発見が遅れる可能性があります。

腐敗するのは夏場であれば2、3日、冬場だと5日から7日程度と言われています・・そのあとからさらに強烈なにおいを発するので、発見が1週間2週間となるケースもざらにあるようです。

異臭もそうですが、ハエ・ウジの大量発生になり「見るに堪えない姿」になってしまいます(あまり考えたくもないですが・・)

●ひどい姿で発見されて、遺族にショックが残る
●腐敗が進むと、清掃費用が高額になる

好き好んで「孤独死」したい人はいないですが、なんとか避けたいものではあります・・

セコムと契約して、早期発見してもらう手もある

万が一自分の部屋で命が途絶えたとしたら、できるだけ腐敗が進まないうちに引き取ってもらいたい・・

一つの方法として、ホームセキュリティーの「セコム」のサービスを受けるという方法もあります。

セコムというと、お金持ちの防犯というイメージですが、実は「孤独死対策」にもなるのです。

一定時間、部屋の中で動きを関知しないと、セコムの人が確認にくる「見守りサービス」というものがあります。

もともとは高齢者のためのサービスですが、「自分の孤独死対策」として活用する裏ワザもあるのです。月額料金が発生しますが、自分のマンションの警備もしてくれて、万が一の発見もしてくれるので損はないと思います。

賃貸住宅でも、部屋ごとに契約できるのでまったく問題ありませんし、大家に確認をとる必要はありません。

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賃貸の部屋で孤独死したら、損害賠償請求される?

マンションの大家さんからは、どのような請求の可能性があるのでしょうか?

●ニオイや汚れによる「原状回復」請求
●事故物件による「損害賠償」請求

ニオイや汚れによる「原状回復」請求

遺体が腐敗した状態で発見されると、「遺体の臭い」や「体液が床を汚す」ことになるため、部屋をもとの綺麗な状態にするための「原状回復」の請求がされます。

普通に部屋を出ていくのではないので、敷金の範囲ではおさまらず、高額なクリーニング費用を別途請求されることもあるようです。

対策としては、遺品整理業者に「特殊清掃」をあわせて行ってもらうことです。自社で構えているところもありますし、外部と提携している業者もあります。

※特殊清掃の中身※

・体液や汚物の除去
・体液がついた家具やじゅうたんの処分
・消臭、消毒
・害虫駆除

大家からの請求は「ふっかけられる」恐れがあるため、あらかじめ「エンディングノート」に遺品整理と合わせて行う旨を書いておくと良いでしょう。

料金の相場としては、10~20万円ですが、腐敗が進んで床に体液がしみ込んでしまうと、丸ごとフローリングの張り替えなどがかかるため、さらに費用は大きくなります。

保証人に請求が行ってしまうので、その費用も用意しておいた方が困らないでしょう。

事故物件による「損害賠償」請求

自殺とは違い、孤独死は「事故物件」扱いにはなりません。(仮に事故物件扱いになると「敷金の2割から3割+2年間の家賃の2割」程度、保証人に請求がくることがあります)

ただし、孤独死して異臭によって「近所に知れ渡った」場合は厄介です。どうしても賃貸しようとする人の耳に入る可能性があり、そうなると部屋が決まらないことも。その場合に、損害賠償として請求されることがあります。

いくらくらい、お金を残しておくべき?

●葬儀費用で   「  50万円」※終身保険でまかなうことも可
●遺品整理で   「9~15万円」
●死後の特殊清掃で「10~20万円」

せめて、これらのお金が払えるくらいは口座に残しておきましょう。

お金も大事ですが、
●公正証書遺言の作成
●エンディングノートで、お願いすることをまとめておく
という手続きをしてあげると、かなり遺族の負担は軽減されます。

おわりに

「迷惑をかけずに、ひっそりと孤独死を迎えたい」と思っていても、いろいろと費用はかかりますし、準備すべきこともあります。

できるかぎりのことはこちらで行いつつ、後は兄弟や親戚にやってもらうしかありません。

不安や心配はつきませんが、自分自身が「身内の世話」をする日がくるかもしれませんし、逆の場合もあります。

あまり不安になりすぎても仕方がなく、ある程度は割り切って生きていくしかないのかなと思います。

「最低限のお金」と「こちらでできる最低限の手続き」さえあれば、あとはなるようにしかなりません。残りの人生を、いかに楽しむかという前向きな気持ちで歩んでいきたいものです。