遠くない将来、うちの親もなくなってしまう。考えたくないけど、つい考えてしまう。
わたしは40代を迎えましたが、ありがたいことに両親とも健在です。ただ、会うたびに「年をとったなあ」と日々感じてしまいます。
自分も年を重ねると、どうしても親が老いて無くなる現実が、目の前に刻一刻と近づいてくるのを感じます。
「葬儀は、どんな段取りで行えばいいんだろう」
「自分の親がなくなったら、どうなるんだろう」
言いようのない、悲しい気持ちがこみあげてくる一方で、死んだ後の手続きを心配する冷静な自分がいたりします。
どうやって、親の死を覚悟し、準備すればよいのか。わたしなりに考え調べたことをお話したいと思います。
1.知っておいて損はない、葬儀の流れ
※ここからお話しする内容は「仏教の浄土真宗」での流れになります。宗派によって異なる点があることをご了承ください※
親戚が段取りしてくれることもありますが、そこはしっかり「喪主」として先導をきって準備しなければなりません。
私も祖母が他界した際に、喪主について段取りを一通り見てきましたが、正直「”悲しんでいる暇がない”ほど、やることがある」というのが現実です。
<< 基本的なこと >>
[喪主と施主の違い]
・喪主→遺族の代表。式を執り行う人
・施主→葬儀費用を負担する人
※兼任する場合も多い。自分の親が亡くなったら、一番上の子供が「喪主」になる。
[通夜と告別式の違い]
・通夜 →生前、親と親しかった人が別れのために来る儀式
・告別式→遺族や近親者が行う、最後の別れを告げるための儀式
亡くなった当日の流れ
・自宅や施設の場合は、医師に連絡
・医師に死亡を確認してもらい「死亡診断書」を受け取る
・看護師が死後の処置を行う(顔をきれいに整える・清潔に保つ)
・お通夜の日程と、それまでの遺体安置の相談(どこに遺体を置くか)
・死亡広告の掲載(新聞と地元の広報誌の「お悔み欄」に乗せる、掲載締め切りがある)※重要
・寝台車を手配してもらい、葬儀場に安置
※(細かいことは覚えなくても、段取りしてくれます)
枕経とは・・納棺の前に、死者のまくらもとであげるお経(同席の際は、普段着でよい)
・通夜に来るお坊さんの人数を教えてもらう
とにかく、
・葬儀屋に来てもらう
・寺院への連絡
この2つを抑えておけば大丈夫です。
亡くなった翌日の流れ
※この日が通夜の場合が多い、場合によっては翌々日を通夜にすることも(遠方から来る人を配慮して)
・葬儀内容、祭壇、お供え物などの手配
・遺影に使う写真
・食事の手配(遺族が食べる分。告別式までの分)
・会葬礼状(お礼のハガキ)
・返礼品(夜や葬儀・告別式の参列者へお礼として渡すもの)
・通夜にくるお坊さんの人数を葬儀社に伝え、お布施(おふせ)の相場を聞き、袋を用意してもらう
※このあたりは葬儀社がすべて段取りしてくれるので、覚える必要はありません。
・役所に「死亡届」と「死亡診断書」(医師からもらえるもの)を提出
・市役所から、「火葬(埋葬)許可証」を発行してもらう
※火葬場で火葬をする際に、必須
[遺体を棺(ひつぎ)に入れて、会場に運ぶ]
・親族で遺体を拭いて清める
・生前愛用していたものなど、必要なものを詰める
・お坊さんによる読経で、供養してもらう
・喪主、遺族、親族の順で焼香
・お坊さんからの話を聞く
・お坊さんにお布施(式の前か、式の後。相場は10~50万)
・市役所での「火葬許可証」の発行
・お坊さんへの「お布施」
この2つは忘れないように注意しましょう。
亡くなった翌々日の流れ
・お坊さんによる読経で、供養してもらう
・喪主、遺族、親族の順で焼香
・遺族による出棺(棺に花を飾ってフタをする)
・「喪主」による、一般参列者への挨拶
・バスで親族が火葬場に向かう
・火葬炉の前で行う、最期のお別れ
・1時間後、遺骨を拾い上げ骨壺に入れる(骨上げ)
・バスで再び葬儀場に戻る
・お坊さんによる読経で、供養してもらう
・喪主、遺族、親族の順で焼香
という流れになります。
2.いざとなって慌てないために、準備したいこと
当日はいろいろやるべきことがありますが、基本的には「葬儀屋さん」と「お寺さん」が決まっていれば何とかなります。
特に葬儀屋さんは、すべての流れを熟知しているので、必要なことはその都度アドバイスをいただけます。
●どこの葬儀場を使うのか
●お寺さんはどこか
この2つだけは、生前に両親に確認しておくとよいでしょう。
お寺さんは使っているところがあるはずですので、指定されると思います。ただ、葬儀場については「家族葬にして欲しい」など要望があるかもしれません。
大きな葬儀屋さんに頼むよりも、「小さなお葬式」などの家族葬を中心にした全国展開している業者さんにお願いしておくのも一つです。
ちなみに「小さなお葬式」では、生前契約といって亡くなる前から葬儀内容や費用の支払いができるプランもあります。
【小さなお葬式】資料請求をしてみる >>3.親の死と、どう向き合うか
「父親、母親が元気なのは当たり前ではない」
どんどんと年を重ねてきて、おじいさん・おばあさんに近づいていく両親。その姿に戸惑い、受け入れられない時期もありました。
自分がいつの間にか年をとっていくのと同様に、両親も確実に老いているという現実。
ふと夜中に「親が居るのは、当たり前じゃないんだな」と考えてたまらなく悲しくなることがあります。
まだ10年先かもしれないし、近い将来なのかもしれない。
両親が元気な今、後悔のないように・・と思っても、なかなか気持ちの折り合いがつかないこともあります。
でも結局、自分の人生ってなるようにしかならないですし、怖いですけどおびえて生きてもどうしようもない。
普段は素っ気ない態度でいる自分をあらためて、少しだけいたわってあげたり、少しでも一緒の思い出をつくってあげればいいなと思いました。
自分が亡くなるよりはるかに、自分の親が亡くなるのが怖い。でも、なるようにしかならない。
あとは「その時」が来たら、しっかり喪主として送り出してあげる。それだけ。