将来に向けてお金を残しておきたい。養老保険だと貯蓄性が高いと聞くけど・・
まだ若くても、早い段階から老後のことを考えるのはとても大事なことです。
年金もあてにならない、でも長寿大国で平均すれば85歳くらいは生きる可能性があるということですからね・・。
貯金だと利息なんて燃えかすみたいなものですし、貯蓄性の高い物を・・と考えているのなら。
養老保険って、どういうもの?
養老保険に、今からでも入っておくべき?
気になる疑問に、お答えしていきたいと思います!
1.養老保険の仕組み
養老保険とは、
●死亡保障(保障機能)
●満期になると、保険金を受け取れる(貯蓄機能)
の2つをあわせもった保険です。
万が一の時に、遺族にお金を残しておくこともできますし、ご自身が決めた年齢のときに積んでいたお金を金利をつけてもらえるというのが「養老保険」の特徴です。
2.他の保険(終身保険・個人年金)とどう違う?
養老保険と終身保険、個人年金と似たようなものがありますが、いったいどのような違いがあるのでしょうか?ややこしいですよね・・
死亡保障 | 医療 | 貯蓄 | |
養老保険 | ◎ 死亡時に受け取り |
なし | ◎ 満期で受け取り |
終身保険(生命保険) | ◎ 死亡時に受け取り |
◎ | ◎ 満期がないが、解約して受け取れる |
個人年金 | なし | なし | ◎ 満期で受け取り |
養老保険の特徴
養老保険のは「死亡保険金」のほかに「満期保険金」がもらえます。
終身保険であれば満期がありませんので、どこかのタイミングで保険を「解約」する扱いになり減額された形で手元に残ります。
個人年金であれば、満期にしっかりお金がもらますが「途中でなくなった場合」には死亡保障ではなく「今まで積んできた分」しか戻ってきません。
死亡保障という制度はなく、あくまで「積んでいた分」を「途中解約した」という扱いになるのです。
終身保険(生命保険)の特徴
では、終身保険はどうなのでしょうか?おそらく昔に言われるがまま契約して、毎月支払っている方も多いかもしれません。
一番の特徴は(契約プランにもよりますが)医療保障がついているということです。
病気やケガの時の一時金や、入院した時の日額の入院費用が支払われます。
また、途中でなくなった場合の死亡保障が手厚いので、家庭を持つ方にはメリットが大きいと思います。
ただ「満期」がなく一生保険料を支払い続けるものがほとんどですので、お金が必要であれば「途中解約」してお金を引き出す形になります。
掛け捨て型であれば、解約してもほとんど戻ってきません。貯蓄型であれば、20年以上かけ続けていれば元本割れすることはありません。
個人年金の特徴
個人年金は「死亡保障」「医療保障」なしで、純粋に「積み立てて利回りとの合算分を、老後にもらう」ためのものです。
どこが一番、利回りがいいの?
いずれも保険料を運用してもらい、その利回りを解約時(満期時)に合わせて受け取るというものです。
正直、どこにお金を積んでも大した違いはありません。返戻率は101~110%が相場です。
つまり、20年かけて400万積んだとしても、20年で20万(105%の返戻率とする)、1年で1万の利息になるということです。
バブル期のような高金利時代であれば、養老保険に入るのがお得でしたし実際生命保険会社も、みんな勧めていました。
ところが今は低金利なので、どこに積んでも大して代わりはないのです。
今はいっている保険や個人年金を一括して、、というメリットもありません。
3.養老保険のメリット、デメリット
養老保険の一番のよいところは、あらかじめ決めていた「死亡保険金」も「満期保険金」もほぼ同じ金額もらえるところです。(両方受け取れるという意味ではありません)
途中で亡くなった場合は死亡保障として、掛けた以上の金額が出る。
満期になると、積んできた分に利回り分をプラスして払い込まれる。
いずれもしっかり対応しているのは、養老保険ならではと言えるでしょう。
デメリットは途中解約すれば元本割れしてしまうところです。これは終身でも個人年金でも一緒です。
あとは「払い込み料金が、他に比べて割高」になります。
●個人年金は月1万円から
●終身保険(医療付き)は月1万円~月1万5000円
が相場なのに対し、養老保険は月2万以上からというのがほとんどです。
もちろん掛け金が多くなるほど、満期時の返戻金も多くなりますが、死亡保障+満期時の解約料の負担がある分だけ割高になっているのです。
4.養老保険に入る(追加する)必要はある?
「今から新しく、養老保険に入るべきかなあ・・」と迷っている方もいるかもしれません。シチュエーション別に、お話したいと思います。
追加で養老保険に加入するメリットは?
今すでに、終身保険をかけている方で「さらに貯蓄性の高いものを」と考えている方へ。
新たに養老保険に入るメリットはほとんどありません。
なぜなら終身保険と「死亡保障」「医療保障」の部分が”かぶっている”からです。これらにかかわる分の保険料が上乗せされているので、損をしたことになります。
終身保険を解約してまで、養老保険に入るべき?
もちろん「NO]です。終身を解約することで、医療保障が受けられなくなります。
~参考~ 途中で加入すると、こんな負担も増える
もともと養老保険は月々の支払が大きくなる傾向がありますが、
●加入時の年齢が遅いほど
●早く満期設定するほど
月の支払いは重くなります。
仮に、某生保会社の養老保険の支払いですが、
●1000万円の支払いを設定していて、
・30歳から55歳までの払い込み→月39000円
・30歳から65歳までの払い込み→月29000円
・40歳から55歳までの払い込み→月65000円
・40歳から65歳までの払い込み→月40000円
と、かなりの負担増になります。それなのに、満期時に戻ってくるお金は「103~105%」とわずかなのです。
満期が55歳、60歳、65歳と設定できるのはよいことなのですが、満期を短く設定するほど月々の支払いは重くなることは頭にいれておくべきでしょう。
5.老後資金を貯めたい、増やしたいなら何がベスト?
しっかりお金を貯めたいのなら、終身保険は入りつつ、プラスアルファを個人年金で運用するのが一番無難だと思います。
ただし、低金利時代に「保険で資産を増やしていく」というのは難しいものです。
「お金を無駄使いしないように、強制的にためておく」くらいのものと考えておけばよいでしょう。
「ためる」のではなく「増やす」なら国債や投資、仮想通貨や不動産投資などにも目を向けるべきです。
ただ、現実には高い利回りほどリスクがつきまとってきます・・。
今からできることとして、「保険の見直し」をするというのも一つです。
「収入を増やす」のが一般的ですが、「支出を減らす」のもお金がたまることになります。
保険料を見直して、毎月の支出を減らした分を貯金するというのでもよいと思うんです。
実は、わたしたちが何となく契約してきた保険料って、ほとんどのケースで「払いすぎ」だって知っていましたか?
私も友人に言われるまで何も考えたことがありませんでした。保険は複雑ですからね・・
ところが、ニッセイとか第一生命で昔に入っていた人は、よくわからない特約だ保障だとつけられて高くなっているんですね。おまけに部分的に変更しずらくしたり。
いっかい、保険のアドバイザーに保険をみてもらって、もっと安くてよい保険に切り替えてみることをおすすめします。
下手すると、毎月1万円浮くけれど、保障のレベルを下げず本当に必要なものだけ入ることができます。